C10 電気車

鉄道車両における「改造」って何なのだろうか…と思った話

鉄道車両(いわゆる電車など)はごくおおざっぱに、台枠(人体に例えれば骨のようなもの)の上に車体(肉のようなもの)を構築し、台枠の下には各種の制御装置など(臓器のようなもの)をぶら下げている…と言えます。鉄道車両は一般的に20~40年前後使用されることが…

電車用制御装置箱の大きさ逆転に思う

写真1 ふたつの制御装置箱 写真は、現在都営地下鉄浅草線用として増備が進んでいる5500形です。今まであまり意識していませんでしたが、この電車の床下機器を見て「近年の電車の制御装置箱は大きさが逆転しているな」と思いました。 ◇ ◇ ◇ 床下にはふたつの…

600系新幹線電車

「気が向いたら書く」という方針で書き続けていますが、今回は600記事目になりますので、600系新幹線電車(写真1)に関してです。 写真1 E1系(鉄道博物館) まず、600系の写真をご覧ください。「あれっ?『E1系』と書いてあるではないか」と思われたかもしれま…

本日の電車227

鉄道趣味にもいろいろありますが、「形式・記号・番号」に興味を持つ方は結構多いように感じています。そもそも「形式・記号・番号」は識別のためのものにすぎません。数字に意味を持たせている場合もあれば、全く気分で付しているとしか思えないようなもの…

【昔の写真から…】小田急電鉄デハ500形跨座式電動客車

1.はじめに 昔のスライドファイルを整理していたら、題記の車両の写真が出てきました。「小田急電鉄デハ500形跨座式電動客車」と記すと「何それ?」という感じですが、「向ヶ丘遊園に行っていたモノレール」のことです。 モノレールは20世紀最後の年に壊れて…

【天鉄展】東海道新幹線0系の部品

1.はじめに 森アーツセンターギャラリー&スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されている「天空ノ鉄道物語」に関する記事の3回目です。今回は東海道新幹線0系電車の部品に関してです。 2.目立つけれども機能はあまり知られていない部品 会場に…

【鉄道技術好きの方へ】電車用パンタグラフ操作回路

1.はじめに 今回は、国鉄新性能電車のパンタグラフはどのようにして一斉に上げ下げするか…ということに関する記事です。 2.専用の制御線が編成全体に引き通されている 国鉄新性能電車の場合、直流100V電源である220線が編成全体に引き通されています。先頭車…

【鉄道技術好きの方へ】電車用パンタグラフの上げ下げ

1.はじめに 1950年代後半から1980年代初頭までの四半世紀に登場した、いわゆる「国鉄新性能電車」に関する記事です。今回は電車用パンタグラフの上げ下げに関する内容です。 2.バネで上げて空気で下げる 国鉄新性能電車の標準的なパンタグラフは、バネの力で…

ジャンパ連結器で接続されるもの

1.ジャンパ連結器とは 列車は多くの場合、複数の車両を連ねたものです。車両どうしを機械的につなぐのは連結器です。しかし、連結された車両をひとつの列車として機能させるためには制御回路も接続しなければなりません。制御回路とは人間に例えれば神経のよ…

鉄道車両「ツナギ」のお話

1.はじめに 鉄道好きの方なら「電車ってどのようにして走るのか?」と疑問に思ったことがあるでしょう。そして、鉄道図鑑のようなものから始まり、そのうち鉄道雑誌(鉄道ファン、鉄道ピクトリアルなど)に進んで行ったのではないでしょうか。 私も中高生の頃…

京成電鉄3500形

どの鉄道会社でも車両の世代交代は常に進行しています。鉄道会社にとって車両は、乗客に直接触れるという意味で重要な商売道具ですから、少しずつ新しいものに取り換えていくことは大切ですね。 写真1 3540号車他(芝山鉄道保有) 写真2 3537号車(芝山鉄道保有…

185系電車(その6) 常磐線への乗り入れ

185系は系列番号よりわかるように直流専用車(百の位が1~3)です。そのため、東海道線を中心に走っていますが、臨時列車として常磐線まで入り込むことがあります(伊豆急下田⇔我孫子)。 常磐線用の特急電車というと昔から順に485系、651系、E653系、E657系とい…

185系電車(その5) 異塗装編成併結

今回は、異なった塗装の編成を併結した写真を掲載します。 写真1 湘南色塗装+エクスプレス塗装(2010年:上野駅) 写真2 157系塗装+湘南色塗装(2012年:上野駅) 写真3 湘南ブロック塗装+ストライプ塗装(2015年:東京駅) ストライプ塗装で登場し、いろいろな…

185系電車(その4) 157系塗装

157系(特急時代)を模した塗装です。185系には結構似合っているように感じます。今回の写真もすべて上野駅で撮影しました。 写真1 「あかぎ」(2012年) なかなか素敵な感じです。 写真2 「草津」(2012年) 写真1に対して、ヘッドマーク違いです。 写真3 先頭部…

185系電車(その3) 湘南色塗装

ある時期、185系のひとつの編成がオレンジと緑に塗分けられて走っていました。「湘南色塗装」と称していたようですが、上野駅で撮影した写真がありましたのでご紹介いたします。 写真1 先頭車(2010年) 80系に準じた塗分けになっています。ただ、私個人として…

185系電車(その2) ブロック塗装

一般的に「エクスプレス塗装」と「湘南ブロック塗装」と称していたようですが、塗分け線はどちらも「ブロック」状で同一であり、「色違い」ということになります。 写真1 エクスプレス塗装車両ホームライナー(2011年:日暮里駅付近) 並走する列車から撮影し…

185系電車(その1)

登場してから40年近くになり、その数をじわじわ減らしつつある185系です。写真データファイルを見ると昔撮影した写真があったので、何回かに分けてご紹介したいと思います。 写真1 現在の姿 この間某所に桜を見に行ったついでに東京駅で撮影したものです。今…

帝都高速度交通営団 6000系第1次試作車

1968年に試作された6000系の3両編成です。両先頭車に方式(メーカ)の異なる2種類のチョッパ制御装置、中間車には抵抗制御装置が搭載されて、3M編成でした。のちに抵抗制御のみに改造され2M1T編成となっています。また製造当初の車番は6001、6002、6003でした…

EF63(その3) 協調運転車両との連結

今回は協調運転車両用のジャンパ連結器に関してです。まず前回の写真2と3を再掲載します。 写真2 ジャンパ連結器栓受(全体) 写真3 ジャンパ連結器栓受(上半分拡大) ■ 2.協調運転車両の引通し信号 始めに、169系説明書(構造解説書)のような1次資料が入手でき…

EF63(その2) 横軽間無動力車両との連結

EF63で特徴的なのは軽井沢側(第2エンド)です。 写真1 両用連結器 電車と連結するため、密着連結器が一体になっています。興味深いのは空気菅で、ブレーキ管(上部中央)だけとなっています。一般的な密着連結器にはブレーキ管の左右に直通管があり、鎖錠部の下…

EF63(その1)

昔、信越本線の線路が高崎から新潟までつながっていた時代、横川と軽井沢の間を走る列車はEF63のお世話になっていました。 写真1 軽井沢到着と共に解放作業開始 写真2 解放完了 写真3 列車が走り去った後 EF63の前の特急車両は489系です。1980年代半ばのある…

甲武鉄道の電車

1986年、夏のある日、私は松本電鉄の新村駅にいました。許可を得て裏手に回ってみると…ハニフ1はまだ眠っていました。 写真1 車庫 写真2 ハニフ1(1986年撮影) 当時は現在のようにネットで調べるなどということなどはできず、雑誌などから得られたわずかな情…

小田急ロマンスカーの車両技術

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、オーム社からGSE70000形に関する題記の書籍が出版されています。内容構成はこんな感じです。 第1章:歴代ロマンスカーの概要が記されています。第2章:GSEをどのような車両にするか、その考え方や過程が記されていま…

東武5700系

1951年に登場した特急車です。 1枚目の写真は晩年の快速「たびじ」です。北千住駅にはまだ「第2常磐線」が乗入れておらず、日比谷線も地上ホームでした。 2枚目の写真はFS106台車ですが、ゲルリッツ式という特徴のあるものでした。 3枚目の写真は車内です。…

小田急3100形の一部

丸ノ内線四谷三丁目駅、新宿線曙橋駅、いずれの駅からも歩いて10分弱のところに新宿歴史博物館があります。館内の休憩所(展示室外)に写真のようなものが置かれています。 1枚目の写真は座席です。ひじ掛けの先に灰皿を撤去して埋めたと思われる部材がついて…

東急5000系

今でも「東急と言えば5000系」という印象が心の底に残っており、親しみを感じる電車です。しもぶくれの丸っこい顔がネコみたいでかわいらしく、18m級というところが私鉄らしくて好きでした。(東急5000系というと「20m級ステンレス車でインバータ制御で…」と…

HD300

隅田川駅で入替をしているHD300です。起動時に若干のPWM音とつりかけ音は聞こえますが、あとは淡々とディーゼル機関が回転しているだけで、静かなものです。DE10などが起動時に機関出力を上げると同時に黒煙と騒音をまき散らしていたのとは雲泥の差です。 HD…

世界初の電気車

人を乗せて走った電気車としては、「1879年にドイツのジーメンスがベルリン工業博覧会に出品した電気機関車」が世界初と言われています。会場ではこの電気機関車が6人乗りの客車を3両牽引して走ったそうです。 1枚目の写真はドイツのミュンヘンにあるドイツ…

京阪800系

運賃収受方法などのソフト面を除いたハード面だけを考えると、LRTの本来の概念にいちばん近いのではないだろうか…と個人的に感じる車両です。 高架区間こそありませんが、路面区間あり、専用軌道区間あり、街中の地下区間あり…急勾配、急曲線も取り入れなが…

MT55

私が学生だった頃は毎日103系電車にお世話になっていたものです。この電車、東京圏からは消えてしまいましたが、JR西日本などでは更新してまだまだ現役です(1枚目の写真)。 2枚目の写真は103系電車の主電動機MT55で、某車両センター公開日に撮影したものです…