昔々、神保町に三省堂書店と称する古い建物がありました。
その建物は建替えられ、1981年大型書店に生まれ変わりました。この時代、情報は主として「紙(本)」で伝達されていました。パソコンはまだ赤ん坊レベルで、スマホなんてものは夢の世界ですら想像できなかった時代です。もちろんAmazonのようなネット書店も存在しません。本屋さんというのはまさに情報源そのものだったのです。当時は八重洲ブックセンターと並ぶ大型書店で、よく訪れたものです。

写真1はある日何気なく撮影した三省堂書店です。1981年に生まれ変わった建物ですが、それから約40年経過した姿です。

写真2は「建替え宣言」が掲示された姿です。


2022年5月に三省堂書店は閉店しました(写真3)。一時閉店して仮店舗(小川町の方)で営業しながら建替える旨、写真4のように記されています。

小雨の日、通りかかったら写真5のように白い板で覆われていました。右手前、薄緑色の板で覆われている1棟は三省堂書店ではありませんが、三省堂書店に土地を買取られたようです。のちほど示す写真を参照いただくと、最終的に三省堂書店の新しい建物の用地になっていることがわかります。




前回『すずらん通から見た三省堂書店』の写真1に示したように、すずらん通側は路面近くの白い板しか設置されていませんが、正面側(靖国通側)は写真6~8のように薄緑色の板で全体が覆われています。さらに写真9のように、こちら側は内部の解体が始まっています。


写真10~11はある日の夕暮れ時です。背が少し低くなりました。順調に解体が進んでいるようです。


翌月になると、写真12~13のごとく、さらに背が低くなっています。



写真14は東隣(写真左)の建物との境目ですが、同じタイルで装飾されていたことに今さらながら気づきました。だいぶ背は低くなり(写真15)、内部ではどんどん解体が進んでいます(写真16)。


写真17は写真15とほぼ同じ場所から撮影した状態です。建物が消え、すずらん通沿いの文房堂が見えるようになりました。写真18は靖国通の北側から撮影しましたが、神保町三井ビルディング(左奥の高い建物:下記ブログ参照)まで見通せます。不思議な感覚です。

見通せる状態の期間は短く、3か月後には鉄骨が空に伸びています(写真19)。




翌年の4月には鉄骨がてっぺんまで到達したようです。写真20を見てもそんなに高くないように感じますが、以前の建物(写真1)と比較すると周囲の建物よりずいぶん空に突出していることがわかります。高さ2倍前後といったところでしょうか。また、周囲の建物のうち東側(写真左)の2棟が消えていることがわかります。写真23の右側に残った建物が写っていますが、その下側には密着していた建物の跡がはっきり残っています。



写真24~26は先月、新装「縮小」開店した三省堂書店です。写真26よりわかる通り1棟分の空地があり、靖国通に面して白い板が設置されたままです。ここには今後建物が復活するように思われます。三省堂書店改築工事に伴い一時的に撤去すると共に建替える…ということなのでしょう。写真26右側に写っている建物下側の壁面は再び見えなくなるようです。
上記の通り、今回の建替えに伴い「書店」は大幅に縮小されました。貸事務所が本業となり、副業として1~3階のみ書店、という感じです。さらに近年はやりの「雑貨店、喫茶店と同居」という形態なので、実面積はさらに縮小されています。三省堂書店の建替えとそれに伴う書店縮小はひとつの現実解だとは思いますが、残念ながら誠品生活日本橋よりは魅力が少ないように感じました。
今や情報は主としてネットで伝達されるようになり、電子書籍も一般的になりました。紙の書籍であってもスマホやパソコンを使ってAmazonなどでネット購入するのが常識になりました。さらにいずれの形態であっても「個人」で発信・販売することがとても容易になりました。一市民としてはおもしろい時代になったと思いますが、この業界の方々にとってはなかなか大変な時代になったということなのでしょう。この三省堂書店に限らず、書店というものが今後どうなっていくのか、気になるところです。
以上
さかてつでした…