【天鉄展】東海道新幹線0系の部品

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1.はじめに

 森アーツセンターギャラリー&スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されている「天空ノ鉄道物語」に関する記事の3回目です。今回は東海道新幹線0系電車の部品に関してです。

2.目立つけれども機能はあまり知られていない部品

 会場には座席を始めとしていろいろな0系部品が展示されていましたが、目を引いたのはアンテナです。先頭車の屋根上に取付けられているのでその存在はよく知られていると思いますが、機能(何のためにあるのか)はあまり知られていないのではないでしょうか。

 この部品は「電車線電圧検知装置」の一部を成すものです(構内無線用アンテナも兼ねています)。新幹線の電車線電圧は交流25000Vとたいへん高いため、パンタグラフを上昇させなくても電車線に25000Vが印加されているか否かわかるようになっているのです。

 ちなみに「電車線」とは車両に電力を外部から供給するための線で、多くの場合は空中に設けるため「架空電車線」と称しています。「架線」という略語の方が一般的ですね。

3.電車線電圧検知装置

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写真1 静電アンテナ

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写真2 車体への取付状態

 先頭車(0系の場合は21形と22形)の屋根上にこの静電アンテナ(写真1)が取付けられています。写真2をご覧になった方がわかりやすいかもしれません。なお、写真2は鉄道博物館で撮影したものであり、天鉄展のものではありません。

 電車線には交流25000V60Hzが印加されていますから、静電アンテナに電圧が誘起されます。ただし誘起電圧は数Vに過ぎないので、車両内の機器室に設置された増幅器で増幅して継電器(リレー)を動作させ、運転台の「電車線電圧」表示灯を点灯させます。

 このようにして、パンタグラフを上昇させることなく、電車線に交流25000Vが印加されているか否か、知ることができます。具体的な値は、パンタグラフ上昇後に運転台の「電車線電圧計」にその電圧が表示されます。

4.まとめ

 「天空ノ鉄道物語」に東海道新幹線0系電車のアンテナが展示されていました。これは電車線(架線)電圧検知装置の一部で、パンタグラフを上昇させなくても電車線に交流25000Vが印加されているか否かわかります。なかなかマニアックな展示品であり、うれしくなりました。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

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