京成電鉄3500形

 どの鉄道会社でも車両の世代交代は常に進行しています。鉄道会社にとって車両は、乗客に直接触れるという意味で重要な商売道具ですから、少しずつ新しいものに取り換えていくことは大切ですね。

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写真1 3540号車他(芝山鉄道保有)

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写真2 3537号車(芝山鉄道保有)

 京成電鉄グループにおいても営業用車両の世代交代は徐々に進んでおり、ふと気づくと純粋な抵抗制御車はこの3500形(写真1)だけになっていました。(界磁チョッパ車も、全界磁領域においては抵抗制御ですが…)

 写真1は芝山鉄道保有している3500形(3537+3538+3539+3540の4両編成)です。京成電鉄の車両の所有権を芝山鉄道に移転しただけなので、車両そのものは同じです。昔は側面に芝山鉄道(写真2)と表示しているだけでしたが、比較的最近、正面の車番上にSRという文字が入り、正面からでも識別できるようになりました。

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写真3 3516号車(京成電鉄保有)

 駅のプラットホームで先頭車の前頭部を見ると(写真3)、屋根の角の丸みに対してお面の角の丸みをずいぶん小さくしていることがわかります。よほど四角い印象にしたかったんでしょうね。

 ちなみに今回の写真はすべて京成電鉄の金町線内で撮影しました。金町線は実質的に全線単線で、東京23区内でありながら昼間は15分に1本しか電車が走らない、のどかな雰囲気の路線です。どの鉄道でもよくある事例ですが、このような路線にはたいていいちばん古い形式の車両が走っているものです。
 芝山鉄道は成田空港の先にあるごく短い鉄道ですが、金町線で働く芝山鉄道3500形を見ていると、遠くに転勤になった社員が元の会社に働きに来ているような感じがします。

 京成電鉄において「純粋抵抗制御車」を見られなくなるのも、そう遠くはなさそうです。

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ちかてつ
さかてつでした…