1.はじめに
東京スカイツリータウンのいちばん東にはオフィス棟(東京スカイツリーイーストタワー)が建っています。ところでこの建物、よく見ると足元がくびれています。いったいなぜなのでしょうか?
2.イーストタワーの足元は押上駅
写真1は、イーストタワー付近の空中写真です。イーストタワーの東側には、半蔵門線の押上駅があります。
一方、イーストタワーの北側には都営・京成の押上駅があります。東武伊勢崎線と並行して曳舟方面からやってきた京成押上線は地下にもぐり、駐輪場の下を通って半蔵門線と交差する形で都営・京成押上駅に入ってきます。都営・京成押上駅の西半分は東京スカイツリータウンの敷地内です。
写真1をよく見ると、イーストタワーの左上(北西)角が都営・京成押上駅と干渉しているように見えます。これが「足元くびれ」の原因です。
写真2は、イーストタワーです。東京スカイツリータウンのいちばん東にある高層建築で、地上31階、地下3階です。地下階は地下鉄との接続、1階は入口、2~11階はレストラン&店舗、12階はスカイロビー、13~29階は貸事務所、30~31階はレストランとなっています。
写真3は駐輪場から撮ったイーストタワー、写真4は地上(1階)から見上げたイーストタワーです。いずれも私の足元は都営・京成押上駅で、その上にはソラマチ商店街をはじめとする店舗が載っています。イーストタワーは、この店舗棟すなわち都営・京成押上駅と干渉しないように足元をくびれさせているわけです。
貸しビルのウェブサイトで、イーストタワー13~29階の貸事務所間取りを調べてみました。すべての階を確認できたわけではありませんが、代表的な例として17階の平面図を図5に示します。柱は外壁周辺および東側(エレベータ、階段、便所等がある領域)に配置されています。
次に参考文献で、地上に近い階がどのようになっているか調べてみました。図6は5階の平面図ですが、5階以下もこれと同様に柱が配置されています。図5と相違している部位を赤く塗ってあります。外壁が斜めにそぎ落とされているのは、その真下に都営・京成押上駅があるからで、そこにイーストタワーの鉛直方向荷重をかけるわけにはいかないからです。
写真3および写真4より、6~8階には9階以上のオーバーハング部を支えるような斜めの柱があるものと思われますが、その構造図はまだ見つけられていません。
3.まとめ
東京スカイツリータウンのいちばん東にはオフィス棟(東京スカイツリーイーストタワー)が建っています。この建物の足元はくびれています。これは、イーストタワーの北西角に都営・京成押上駅があるためで、これと干渉しないようになっているのです。
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【参考文献】新建築2012年6月臨時増刊号「 Detail of TOKYO SKYTREE 東京スカイツリーのディテール 」
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。