【地図好きの方へ】多くの地図が誤っている事例…東京スカイツリータウン付近

1.はじめに

　都営地下鉄浅草線の本所吾妻橋駅-押上駅間の経路は、多くの地図において最大50mほど誤った位置に記載されています(【地図好きの方へ】多くの地図が誤っている事例…本所吾妻橋駅付近)。今回は「北十間川から東京スカイツリータウンまで」の浅草線真上の風景をご紹介します。

　上記記事に関する「浅草線真上の風景」は続、続々、続々々と3回続きましたが、今回を以っておしまいです。

2.北十間川とソラマチ商店街は浅草線の上

写真1　空中写真

写真2　空中写真(地下鉄追記)

　写真1は本所吾妻橋駅-押上駅付近の空中写真、写真2は浅草線の経路を追記したものです。

写真3　北十間川沿いの建物群

　写真3は、東京スカイツリータウンから北十間川沿いの建物群を見たところです。浅草線は、写真右奥に見える建物⑨～⑪の前を通りながらじわじわと北十間川の中に入って来ます。通風口No.184を過ぎたあたりから半径200m左曲線になって完全に北十間川の中に入り、こちら側に渡り切る頃には再び直線になります。

写真4　北十間川

写真5　北十間川

　昔も今も、浅草線は北十間川の底を通って南側から北側に渡っています。昔の北十間川は生コン工場裏の汚い川という感じでしたが、生コン工場は東京スカイツリータウンに変わり、川もきれいになりました。

写真6　通風口No.185

　写真6は、東京スカイツリータウン前の歩道にある通風口です。No.を記した表示板は摩耗して読めなくなっていますが、対岸の通風口がNo.184なので、こちら側はNo.185であろうと思われます。

写真7　東京スカイツリー

　写真7は、東京スカイツリーの足元です。図2を参照すると、浅草線トンネルは通風口No.185あたりで東京スカイツリーの根元に若干食い込んでいるように見えます。しかし現地はこのようになっており、食い込んでいるのは東京スカイツリーそのものではなく、その周囲の低層棟です。トンネルに過大な荷重はかかっていません。

 

写真8　東京スカイツリータウン

　写真8は、通風口No.185から東京スカイツリータウンを見たところです。浅草線トンネルは私の足元からまっすぐソラマチ商店街の下にもぐり込んでいます。歩道から建物が大きくへこんでいる理由のひとつとして、この真下に浅草線トンネルがあることが挙げられます。

 

写真9　ソラマチ商店街

　写真9はソラマチ商店街の中です。ソラマチ商店街は東京スカイツリータウンの建物の中に斜めに配置されていますが、これは浅草線押上駅の真上にあるからです。東京スカイツリータウンの公式サイトを見ると、ソラマチ商店街に関して「駅ウエ」という表現が出てきます。言い得て妙ですね。

　ソラマチ商店街で耳を澄ますと、足元から電車の走行音がゴトゴトと響いてきます。参考文献より、写真9の場所は浅草線押上駅1,2番線(西馬込方面行ホーム)の真上であることがわかります。

3.まとめ

　都営地下鉄浅草線の本所吾妻橋駅-押上駅間のうち、北十間川から東京スカイツリータウンまでの風景をご紹介しました。ソラマチ商店街は駅ウエ、すなわち浅草線押上駅の真上です。

【参考文献】新建築2012年6月臨時増刊号「 Detail of TOKYO SKYTREE 東京スカイツリーのディテール 」→たいへん充実した内容で、おすすめです。

以上
ちかてつの
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。