【スカイツリー好きの方へ】押上駅はどこにあるか

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1.はじめに

 東京スカイツリータウンへ行くには、押上駅あるいはとうきょうスカイツリー駅を利用することになると思います。特に押上駅は4つの鉄道路線が接続する駅で、たいへん便利です。

 それではこの押上駅、特に東京メトロ半蔵門線押上駅はどこにあるのか…というのが今回のお話です。

2.バス乗り場の地下でふたつの押上駅が交差している

 東武業平橋駅と聞いてピンとくる人は意外と少ないかもしれません。「新電波塔」(のちの東京スカイツリー)の計画すらなかった時代、業平橋駅は「貨物や留置線が主体で、ついでに旅客も扱っている」という感じでした(写真1)。これだけ構内が広かったのは、その昔「浅草駅」という始発駅だったからです…。

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写真1 空中写真(1989年)

 東武業平橋駅は現在「とうきょうスカイツリー駅」と称しています。この駅のすぐ近くには都営・京成の押上駅があります。現在の押上駅は地下ですが、昔々の京成押上駅北十間川に面した地上駅でした。

 実は今から90年ほど前まで、東武と京成は「隅田川の東側止まりで、浅草の中心地に乗り入れることができていない」という似たもの同志だったのです。しかし東武は京成よりも先に(1931年)、隅田川を渡って浅草雷門駅(現在の浅草駅)に乗り入れます。

 京成が浅草に乗り入れたのはずっとあとの話で、1960年の都営地下鉄1号線(現在の浅草線)との相互直通運転開始時点です。これと同時に京成の押上駅は地下化されて現在の場所に移転しています。

 ちなみに京成の本社は、東京スカイツリータウン周辺の再開発が完成する頃まで北十間川に面して残っていました。

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写真2 空中写真(2017年)

 時代はずっと下って2003年、東京メトロ半蔵門線が都心側から押上駅まで伸びてきました。一方、東武伊勢崎線の地下線を曳舟駅から押上駅まで建設し、半蔵門線相互直通運転を始めます。伊勢崎線曳舟駅で二股に分かれた路線になったのです。

 伊勢崎線は、写真2のごとく地上線の下を地下線(黄色線)がS字状にうねりながら走っています。この制約だらけの場所によく押し込んだものだと思います。

 上記のように都営・京成の押上駅の後に半蔵門線押上駅ができたわけですが、両者は、東京スカイツリータウン東側のバス乗り場の地下で交差しています。半蔵門線押上駅プラットホームはバス乗り場付近から四ツ目通の下に伸びており、北十間川といくつかの建物の下をくぐっています。

3.地上風景

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写真3 四ツ目通

 写真3は、四ツ目通の風景です。このあたりから写真奥に向かって半蔵門線押上駅のプラットホームが伸びています。建物①は建設工事に際して基礎が干渉したため、アンダーピニング(基礎の下受工事)を実施しています。

 建物②は半蔵門線建設前にいったん撤去し、半蔵門線完成後に再度建築しています。この建物②は完全に半蔵門線押上駅の真上になります。

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写真4 2012年2月撮影

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写真5 2019年11月撮影

 写真4と写真5は、東京スカイツリータウンの東端に建っているイーストタワーです。写真4は2012年2月に撮影しましたが、同年5月に東京スカイツリータウンが開業しました。注目すべきは写真4右下に見える4階床のクリーム色の建物で、これは京成の本社です。写真中央下部にちらりと見える橋は京成橋と称します。

 京成の本社は2013年9月に京成八幡駅の隣に移転しました。写真5は2019年11月に撮影したものですが、京成の本社跡地は再開発されたことがわかります。

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写真6 押上駅の換気塔

 写真6は半蔵門線押上駅の換気塔です。換気塔の奥に見える建物は京成の本社があった場所に建っています。半蔵門線押上駅開業は2003年、京成本社の移転は2013年ですから、その10年間は本社の建物の目の前(すぐ脇)に換気塔が建っていたわけです。この狭い場所にうまいこと半蔵門線押上駅を建設したものです。

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写真7 押上駅B3出口

 写真7は、半蔵門線押上駅B3出口です。半蔵門線はこの真下を写真奥から手前に向かって走っています。この出口はバス乗り場に面しており、都営・京成の押上駅ともつながっています。

 余談ですが、換気塔(写真6)とB3出口(写真7)の中間付近が、営団(現在の東京メトロ)と東武の施工分界点です。

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写真8 押上駅交差部付近

 写真8は、駐輪場の上から撮影したものです。ニトリが入っている建物(写真左側)は、1960年以前に京成押上駅があった場所に建っています。都営・京成の押上駅は、バス乗り場(写真中央)からソラマチ商店街(写真右奥)にかけての地下にあり、半蔵門線押上駅は写真奥からバス乗り場付近にかけての地下にあります。

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写真9 バス乗り場(2013年10月撮影)

 写真9の手前はバス乗り場、奥は駐輪場(屋上は展望台)です。京成の電車は写真奥で地下にもぐり、バス乗り場から私の足元にかけて伸びている都営・京成押上駅に滑り込みます。

 一方、半蔵門線はバス乗り場の下を通り、伊勢崎線(地上線)の地下を写真奥に向かっています。

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写真10 東武の留置線と伊勢崎線

 写真10は、駐輪場(写真9)の上から東武の留置線と伊勢崎線(地上線)を撮影したところです。東京メトロ半蔵門線につながる伊勢崎線(地下線)は、写真左後方からA3出口の前を通り、大きくS字曲線を描きながら走っています。地上と地下の複々線ということですね。

4.まとめ

 押上駅は、東京スカイツリータウン東側のバス乗り場地下にあります。ここで都営・京成の押上駅と、東京メトロ東武押上駅が交差しています。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。