鉄道に興味があるので鉄道に関する単語や漢字はよく使いますが、「汽車」という単語はほとんど使うことがありません。
ある日、ある所を歩いていたら、電柱がありました(写真1)。別に電柱そのものは珍しくないのですが、そこに「汽車」という珍しい単語を見つけました(写真2)。もちろんこの場所にこの単語がある理由は即座にわかりましたが…
写真3は1963年6月に撮影された空中写真です。写真1および写真2の電柱がある場所は①地点です。その東側、永代通の北側にあるのが汽車製造株式会社の東京製作所です。「汽車」はこの工場に由来するものでしょう。その周囲を取り巻くように都電が走っていました。
【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。
写真4は、永代通を西から走ってきた都電が北に向きを変えるところです。写真3の②地点になります。汽車製造の工場があった場所は現在、東京都住宅供給公社南砂住宅になっています。都電が走っていた跡は南砂緑道公園になっています。
写真5は写真3の③地点、写真6はそこにある都電の輪軸、そして右手は汽車製造の工場跡地です。
写真3の④地点には写真7のような踏切があり、忘れた頃に貨物列車が通ったりします。
汽車製造を創業した人は…調べてみたらかの有名な井上勝氏でした。写真8は東京駅前にある井上勝像です。
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汽車製造は現存しません。50年ほど前、川崎重工業に合併されて消えました。しかし、電柱に「汽車」という文字は生きているのです…
以上
さかてつでした…