【地下好きの方へ】東京都北区神谷堀公園地下の謎

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1.はじめに

 北区に神谷堀公園があります。昔は神谷堀と称する水路でしたが、1970年代後半に埋め立てられて現在のようになりました。「水」だったところが「土」になったわけです。

 さらにその後…「土」だったところに「〇〇」が入りました…

2.地上風景

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写真1 換気塔①

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写真2 換気塔①の送水口

 東京メトロ南北線王子神谷駅1番出口を出て北本通を赤羽岩淵駅方面に向かって歩いていくと、写真1のような換気塔があります。換気塔①には連結送水口があり、そこにはっきりと王子神谷駅と記されています(写真2)。南北線は北本通の下を走っており、王子神谷駅もその道路の真下ですので、ここに南北線の換気口があるわけです。

 ところで以前、フタが無い送水口をしましたが(下記2件)、この送水口にはフタが付いています。同じ路線でありながらフタがあったり無かったり…不思議です。

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写真3 高層集合住宅

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写真4 神谷堀公園

 さて、換気塔①を背にして北本通の向こう側を見ると、高層集合住宅が2棟並んでいます(写真3)。しかしこれらの建物、なぜかいずれも道路に対して斜めになっています。

 写真4は北本通を渡る歩道橋から高層集合住宅(写真3)の足元を撮影したものですが、左側(北側)に木々が見えます。ここが今回注目の神谷堀公園です。

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写真5 謎の線路

 写真5は、王子神谷駅でB線(目黒方面行き)電車の最後尾からトンネル内を見た様子です。

 赤羽岩淵方面に向かって2本の線路が伸びていますが、そのほか右斜め奥に向かう線路もあるようです。この線路はどこへ続くのでしょうか…。そもそもこんな線路、地図に記載されていないのですが!

 写真3および写真4の建物の向き、写真5の右斜め奥に向かう線路、これらの詳細は次回に…。

3.神谷堀の変遷

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写真6 空中写真(1948年3月)

 写真6は、終戦から2年半経った頃にアメリカ軍が撮影した空中写真です。神谷堀の名前の通り水があり、北本通の西側まで続いているのがわかります。この先には王子製紙(のちに十條製紙)の工場がありました。

 1973年に工場が閉鎖されたのち、神谷堀は1977年にすべて埋め立てられました。その後、北本通東側の大部分は北区の神谷堀公園になりました。

 

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写真7 空中写真(1988年1月)

 写真7は、神谷堀公園になって10年少々経過した頃ですが、公園のようには見えません。何やら工事しているようです。

 実は、東京メトロ南北線の王子車両基地がこの公園の下に建設されることになり、建設工事をしているのです。1986年2月着工してから約2年経過した頃の写真です。

 

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写真8 空中写真(1989年11月)

 写真8を見ると、神谷堀公園は植栽も終わってほぼ復旧しています。ただし、それよりも北はまだ工事中です。

 この写真から2年経過した1991年11月、南北線駒込駅-赤羽岩淵駅間は開業しました。

 

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写真9 空中写真(2013年2月)

 写真9は最近の状況です。細い青緑の線で囲まれた範囲が王子神谷駅、細い黄色の線で囲まれた範囲が王子車両基地です。

 

4.まとめ

 北区に神谷堀公園があります。昔は神谷堀でしたが、1970年代に埋め立てられて公園になりました。「水」だったところが「土」になったわけです。

 この公園に向かって、王子神谷駅から線路が伸びています。実は、神谷堀公園の地下に王子車両基地があります。「土」だったところに今度は「電車」が入ったわけですね。

 次回は、王子車両基地の上(地上)がどのようになっているか、ご紹介します。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。