【地下好きの方へ】飛鳥山ふもとの古い建物の地下には何があるか

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1.はじめに

 JRの王子駅プラットホームから飛鳥山が見えます。そのふもとに味わい深い古い建物群がありました。その建物の下には何があるのでしょうか…。実はこの建物の地下には東京メトロ南北線のトンネルが2本あるのです。

 今回は王子駅付近の南北線経路に関してです。

2.南北線の経路

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写真1 空中写真(2017年8月)

 写真1は、南北線建設史記載の図からA線B線トンネルの位置を空中写真に描き込んだものです。飛鳥山公園を大きくS字曲線を描きながら突き抜けた南北線は、飛鳥山ふもとの古い建物群の下を通り、JRの王子駅と斜めに交差します。その先、東北新幹線高架橋の脚をはさむように走り、石神井川と歩道橋の下を通ってから駅前広場地下の南北線王子駅に滑り込みます。その走り方は障害物競走のようです。

3.地上風景

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写真2 古い建物群(2011年6月)

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写真3 古い建物群(2011年6月)

 写真2と写真3は、飛鳥山のふもとにあった古い建物群です。いつ頃建てられたのかわかりませんが、なかなか味わい深い建物でした。

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写真4 古い建物群(2017年2月)

 写真4は約6年後の状況ですが、写真2に写っていた2棟は消えています。また写真3に写っていた白い建物も解体中です。

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写真5 古い建物群(2011年9月)

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写真6 古い建物群(2019年12月)

 写真2~4の建物群を別の角度から撮影したものが写真5と写真6です。約8年間の変化がわかります。ところで私が立っているこの場所、足元に南北線のトンネルがあります。

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写真7 王子駅前の歩道橋

 写真7は王子駅前の歩道橋です。私の真下には南北線のA線トンネルが、少し右側にはB線トンネルがあります。南北線建設史を参照すると、B線トンネルは歩道橋の支柱の真下にあることがわかります。またすぐ脇は石神井川(暗渠)で、A線B線いずれもこの川の下を突き抜けています。

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写真8 王子駅前(石神井川の上)

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写真9 王子駅前(石神井川の上)

 写真8と写真9は、歩道橋(写真7)から撮影した風景です。都電が走っている道路の下から石神井川が出てくる様子(写真8)がわかります。歩道橋の階段を下りたところに東北新幹線高架橋の脚が立っていますが、南北線A線B線(それぞれ外径6.6mの単線シールドトンネル)は、この脚の両側を走っています。

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写真10 北とぴあからの風景

 写真10は、王子駅近くにある北とぴあという建物の展望台からの風景です。赤↓印飛鳥山換気室(換気塔)のある場所です。南北線はここから飛鳥山公園(木が茂っているところ)に入り込み、大きくS字状にうねりながら写真左手前に向かって走ってきます。

 写真中央上部にはJRの王子駅が見えます。南北線はこの駅の真下を斜めに突っ切り、新幹線高架橋の脚に干渉しないように走っています。その後、歩道橋の下をくぐって王子駅前広場の下にある南北線王子駅に滑り込みます。

4.まとめ

 JRの王子駅プラットホームから飛鳥山が見えます。そのふもとに味わい深い古い建物群がありました。その建物の下を東京メトロ南北線が走っています。南北線はJR王子駅の真下を斜めに突っ切り、東北新幹線高架橋の脚をはさむように走り、石神井川と歩道橋の下をくぐって南北線王子駅に至ります。その走り方は障害物競走を見ているかのようです。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。