【鉄道好きの方へ】飛鳥山周辺で見ることができる鉄道

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1.はじめに

 桜で有名な飛鳥山ですが、その周囲にはいろいろな鉄道が走っており、「鉄道見物の名所」でもあります。ただし、東京メトロ南北線は観察力と想像力が無いと見えません。

 今回は「東京メトロ南北線飛鳥山付近をどのような経路で走っているか」です。

2.飛鳥山公園の換気塔

 西ヶ原駅から本郷通を北西に向かって歩いていくと、右手に飛鳥山公園が見えてきます。そこには3つの博物館(手前から渋沢史料館、飛鳥山博物館、紙の博物館)があります。紙の博物館前の本郷通地下には南北線飛鳥山換気室があり、その換気塔が地上に開口しています。

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写真1 空中写真(2017年8月)

 写真1は、建設史記載の図から南北線トンネルの位置を空中写真に描き込んだものです。西ヶ原駅から王子駅まではA線B線の単線シールドトンネルが2本並んでいます。南北線トンネルは飛鳥山換気室(換気塔)付近から飛鳥山公園の中に入り、大きくS字曲線を描きながら公園を斜めに突き抜けていきます。この先JR王子駅の真下を抜け、駅前広場地下の東京メトロ王子駅に滑り込みます。

 毎度のことながら、地図により南北線の経路記載はいろいろ異なっています。写真1と比較するとおもしろいと思います。

3.地上風景

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写真2 紙の博物館付近

 写真2は、本郷通の風景です。右手に見える白っぽい色の建物は、飛鳥山公園内にある紙の博物館です。南北線は本郷通の下から飛鳥山公園の地下に入って行きますが、実はこの写真の中に「南北線がここを走っている証拠」が写っています。どれかおわかりでしょうか?

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写真3 換気塔

 写真3が「南北線がここを走っている証拠」です。私が立っている本郷通の真下に南北線飛鳥山換気室があり、その開口部が写真3の換気塔になっています。公園内なので美観を考慮して生垣で隠してありますが、不自然さがあるため「換気塔ではないか?」と気づきました。

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写真4 換気塔

 写真4は、飛鳥山公園内の通路(紙の博物館の脇)から撮影した換気塔です。トンネル内消防用送水口のパネルには東京メトロのマークが取付けられているので、南北線のものであることがはっきりわかります。

 ところでこの送水口、西ヶ原交差点のものと同じくフタがありませんね。

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写真5 飛鳥山公園

 写真5は飛鳥山公園の風景です。こうして見ていると地下の状況は想像できませんが、実は地下で首都高速中央環状線東京メトロ南北線が交差しています。ここは交通の大動脈の真上なのです。

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写真6 東屋

 写真5の奥の方に東屋がちらりと写っていますが、それを拡大したのが写真6です。南北線のA線はこの真下付近を走行しています。B線はこの写真の右側を走っています。もちろんいずれも地上からは見えません。公園の木々を撮影している方々はおそらく「足元を電車がバンバン走っている」ということには気づいていらっしゃらないことでしょう。

4.まとめ

 飛鳥山周辺ではいろいろな鉄道を見ることができます。ただし、南北線は観察力と想像力がないと見えません。

 南北線は、西ヶ原駅方面から本郷通の真下を走ってきますが、大きくS字曲線を描きながら飛鳥山公園の下に入り込みます。紙の博物館の脇の地下には飛鳥山換気室があり、換気塔が開口しています。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。