記憶ではなく記録しよう

 私は中学生の頃から鉄道を中心とした写真を撮影しています。そして、それらの古い写真も活用しながら電子書籍を作成・発行しています。電子書籍に掲載した写真の下には「▲キハ713 石岡(1982年10月) 左 鉾田」などと記しています。

 ところでこれらの写真、「いつ」「どこで」撮影したか覚えているわけではありません。人間の記憶などいい加減です。1週間前のお昼に何を食べたか覚えていないぐらいですから、約40年も昔のことなど記憶にないのが当然です。それではなぜ「▲キハ713 石岡(1982年10月) 左 鉾田」と記せるかというと、写真1コマごとに「いつ、どこで、何を、どのような方向で」撮影したか記録してあるから(写真台帳を作成保管してあるから)です。

 この写真台帳ですが、作成には手間暇を要します。正直申してかなりめんどうです。それゆえ、中学生、高校生の頃は何も記録していませんでした。その結果どうなったかというと、いつどこで撮影したかわからない「ゴミ写真」がたくさんできてしまったのです。このことを反省し、写真台帳を作成して記録を取るようにしました。さらに写真画像データはフォルダに分類整理してあります。

 現在、いったいどれだけのコマ数があるのか見当もつきませんが、必要な写真画像データはすいすい取り出せます。40年間の努力が今、報われているわけです。

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 さて、ものづくりに際しては、数多くの検討、確認をしなければいけません。もちろんこれらに関して他の方々と情報を共有することも必須です。もし記録を一切取らず、記憶に頼っていたらどのようなことになるか…

 (1)検討したり思いついたことを忘れたらやり直しです。
 (2)検討内容を覚えまちがえたまま実行したら当然まちがった結果が出ます。
 (3)確認した結果を忘れたり覚えまちがえたら確認結果は信頼できません。
 (4)記憶を他の方々と共有するには当事者が直接会話しなければなりません。
 (5)記憶を持っていた人がいなくなったら他の方々に伝承できません。
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 まだまだいろいろありますが、記憶だけだとろくなことにならないのは明白です。頭の中にあること、やった結果などは可能な限り記録に取ることが重要です。

 私の場合、身の回りに紙やメモ帳を置いています。何か思いついた時、あるいは何かを聞いた時、すぐに記録できるからです。パソコンやタブレットに記録する手もありますが、電源を立ち上げている間に忘れてしまったりします。いったん忘れてしまうと再度思い出せななかったり、思い出しても前回とはなんだか異なる内容だったりするものです。

 これらのメモは、ある程度まとまった時点でワード、エクセル、パワーポイントなどを使ってきちんと整理しておくことが重要だと思います。 

 ところで記録というと「ノートに記す」ことが多いように思われますが、必ずしも最良の方法とは思えません。ノートは個人的なものになりがちで、情報共有には適していないからです。組織においてはノートを使用せず、電子データで作成した記録(手書きメモなどもJPGやPDFに電子化)を共用フォルダに保管することが必要だと思います。

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 趣味の写真データ、仕事の各種データ、いずれも記憶ではなく記録が大切…というお話でした。

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さかてつでした…