夕張鉄道キハ254(→関東鉄道キハ715→鹿島鉄道)の運転台窓下通風口の位置

写真1 キハ715

 キハ710形(キハ711~713)やキハ714形と同じような車両(写真1)を引っぱり出してきましたが、別物です。

 1953年に登場したキハ250形キハ251に続き、1955年から翌年にかけて夕張鉄道にキハ252形キハ252~254が登場しました(キハ254は1956年登場)。キハ250形キハ251の増備ということになりますが、前後の客室扉間に転換クロスシートが並び、窓幅が小さい点が異なります。その後キハ252とキハ253が次々に片側貫通化されたために形式が分けられ、結果としてキハ252~254はすべて1形式1両となりました。要するに下記のようになったわけです。

 キハ250形キハ251→関東鉄道キハ714
 キハ252形キハ252
 キハ253形キハ253
 キハ254形キハ254→関東鉄道キハ715

 夕張鉄道は1974年に休止され、北海道炭礦鉱汽船に譲渡された鉄道線は1975年にそのまま廃止されました。働き場を失った車両たちのうち両運転台のキハ251とキハ254のみ関東鉄道に引取られ、翌年キハ714形キハ714とキハ715形キハ715として再登場しました。のちにロングシート改造されましたが、関東鉄道鉾田線鹿島鉄道で活躍し続けました。

 1993年、キハ715はキハ714よりも先にこの世を去りました。

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写真2 キハ715

写真3 キハ714

写真4 キハ711

 写真2~4に3形式(写真3~4は既出)の前頭部を示します。関東鉄道に来てから統一改造された箇所もありますが、よく似ていますね。

 さて、運転台窓下の通風口位置に注目してみましょう。キハ715(写真2:夕張鉄道キハ254)運転台窓下の通風口の位置は、出身が同じキハ714(写真3:夕張鉄道キハ251)に合せてある…と思ったらそうではなく、出身が異なるキハ710形(写真4:三井芦別鉄道キハ100形)と同じです。

 夕張鉄道キハ254時代の運転台窓下通風口について調べてみると、1960年3月時点ではありませんが、1973年8月時点では車体中央寄りに設けられています。同鉄道キハ251(→関東鉄道キハ714)は運転台窓下通風口が車体側面寄り(運転士正面付近)に設けられていましたが、虫など飛び込んできた時には運転士が直撃を食らうわけで、キハ254では改善されたのでしょう。ちなみに国鉄気動車でも運転台窓下通風口は車体中央寄りです。なるほどそういうことか…という感じです。

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さかてつでした…