北千住町一丁目の謎

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 真空ブレーキに関するわかりやすい参考文献として下記が挙げられます。以前ご紹介したことがありますが、いずれも国会図書館デジタルコレクションに収録されており、閲覧することができます。

 橋本衡平『增訂 眞空制動機』鐵道世界社, 1910
 岩崎衡平『新式自調 眞空制動機』鐵道書院, 1908

 ところでこれらを参照比較すると、橋本衡平氏、岩崎衡平氏鐵道世界社、鐵道書院、いずれも住所は「北千住町一丁目161番地」となっています。氏の自宅が出版社で、結婚等で姓が変わり社名も変更したのかという感じです。

 しかしそれよりももっと気になったのはこの町名です。北千住という町名…これは存在しないのです。もちろん、北千住という駅は存在します。それに対して町名は千住であり、北という文字はありません。

 現在は存在しなくても、明治の頃は北千住という地名があったのではなかろうか…と思い、今昔マップで探してみました。しかし、千住町はありますが北千住町は存在しません。ちなみに千住町は1889年(明治22年)から1932年(昭和7年)まで存在していたそうで、現在の千住一丁目~五丁目はその一部です。

 参考文献の著者が書き間違えた可能性も考えましたが、自宅の住所、自分の出版社の住所を両方同時に間違えるということがあるでしょうか? 謎です。

 余談ですが、南千住駅付近の町名には南という文字が付きます。すなわち、昔は南千住町、今は南千住です。

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さかいさかιゝ さかτゝ
さかτ さかてつでした…