1.はじめに
大島小松川公園わんさか広場付近の地下には、都営新宿線関連施設が存在します。
今回は、わんさか広場地下の入出庫線･留置線トンネルと、旧中川の脇にある車両搬入口に関してです。
2.空中写真
写真1を見ると、現在わんさか広場(写真2)になっている場所を、地下構造物が大きく湾曲しながら横切っている状況がはっきりわかります。これらは入出庫線(図2の赤い太線)と留置線(図2の青い太線)のトンネルです。
さらに、入出庫線･留置線トンネルの東側(旧中川の脇)にもトンネルがあり、搬入口が見えます。現在この場所には線路の保守基地(写真2)があります。
下記動画は大島車庫(大島車両検修場)から大島駅に向かっている回送列車から撮影したものですが、1:00～1:16あたりをご覧いただくと、この搬入口に向かう線路の状況がわかります。
【地下鉄】都営新宿線 前面展望①（大島車両検修場～大島）(https://www.youtube.com/watch?v=2I6glpRavLM)
3.現地の状況
写真3は、入出庫線･留置線トンネルの真上に建っている建物⑱の脇から東側を撮影したものです。正面に見える林のようなところが大島小松川公園わんさか広場で、隠れるように換気塔があります。
写真1を見るとまだ公園は無く、入出庫線トンネル真上の換気塔がはっきりわかります。
このあたりはいわゆるゼロメートル地帯ですので、防災拠点である大島小松川公園は洪水を考慮してかさ上げされています。道路から階段を登るとわんさか広場(写真4)に出ます。ベンチの背後に見える換気塔は入出庫線の真上ですので、ベンチは留置線トンネルの上あたりということになります。
写真5は、ベンチ(写真4)付近から見たわんさか広場です。奥に建っているのは東京都交通局の大島総合庁舎です。入出庫線･留置線トンネルは、私の足元から大きく左に曲がりながら大島総合庁舎の前の方に続いています。
写真6は、わんさか広場の東側です。入出庫線･留置線トンネルは左手前から奥の方に向かって伸びています。右奥に大島総合庁舎が見えますが、その前あたりから搬入口(写真右手前)に向かって別のトンネル(写真2の黄緑色部)が伸びています。
写真7は、車両搬入口です。「今だから話せる都営地下鉄の秘密」という本には、保守関係の基地に車両の搬入口がある旨記載されています。
新宿線は1978年(昭和53年)12月に、まず岩本町駅-東大島駅間が開業しました。東大島駅は高架駅なので、そこから車両を搬入した…と思われるかもしれませんが、実は「地面に開けた穴」(写真7)から地下に車両を搬入したのです。
写真8は、搬入口(写真7)の南方にある線路保守基地です。線路上を走れるコンクリートミキサー車、山積みになったレールなどが見えます。なお、地下トンネルはこのあたりまでは伸びていないようです。
写真9は、入出庫線･留置線トンネル脇にある換気口です。私の足元を電車が走っているわけです。写真奥に左右方向に伸びる白い建物は東大島駅です。大島総合庁舎の前で新宿線の本線と入出庫線が立体交差しているのですが、大半の人は気づいていないことでしょう。
大島総合庁舎の前付近で留置線は入出庫線に合流し、大島車庫に向かいます。
4.まとめ
大島小松川公園わんさか広場地下付近には入出庫線･留置線トンネルがあり、さらに旧中川脇の線路保守基地には車両搬入口があります。
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。
