【地下鉄好きの方へ】都営新宿線東大島駅南西の入出庫線と留置線

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1.はじめに

 都営地下鉄新宿線東大島駅北側に、大島小松川公園の「スポーツ広場」があります。この下には新宿線の大島車庫があり、大島駅からここまで入出庫線が続いています。

 今回は上記入出庫線の途中、東大島駅から南西に200m程度離れたあたりの入出庫線と留置線に関する記事です。

2.空中写真

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写真1 空中写真(1979年11月撮影)

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写真2 空中写真(2009年4月撮影)

 新宿線の入出庫線(赤い太線)は、写真2に示したように本線からどんどん南方に離れていきます。そして、途中で留置線(青い太線)を分岐します。

 下記動画の2:56~3:12あたり、回送列車最後尾からのトンネル内風景を見ると留置線を確認できます。なお、動画は大島車庫(大島車両検修場)から大島駅に向かっている回送列車から撮影したものなので、留置線が合流してくるように見えます。

 この先、大島車庫側でどのように留置線が合流しているか(動画の回送列車においてはどのように留置線が分岐しているか)も確認できます。こちらは動画の0:56~1:06あたりになります。

【地下鉄】都営新宿線 前面展望①(大島車両検修場~大島)(https://www.youtube.com/watch?v=2I6glpRavLM)

 なお動画および写真1より、入出庫線と留置線いずれも複線であることがわかります。

3.現地の状況

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写真3 留置線分岐部付近

 写真3は、入出庫線から留置線が分岐するあたりです。建物⑦は入出庫線・留置線トンネルの上ではないと思われますが、建物⑧の左奥側は入出庫線・留置線トンネルの真上になります。前回記事にも記しましたが、建物⑧には継目があります。この継目の左奥側はトンネルの上、右手前側は通常の地面の上です。

 トンネルは写真3の右奥から左手前に走っており、駐車場の下は分岐器だらけということになります。

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写真4 入出庫線・留置線遠景

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写真5 入出庫線・留置線遠景

 写真4および写真5において、入出庫線・留置線トンネルは建物⑨⑩⑪(写真5)の下を右手前から左奥に向かって突き抜けています。建物⑬(写真4)の下はぎりぎり通っていませんが、建物⑭(写真4)は入出庫線・留置線トンネルの真上です。

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写真6 入出庫線・留置線真上

 写真6は、入出庫線・留置線トンネルの真上で撮影した風景です。まさに私の足元を手前から奥に向かって走っています。左側にちらりと見える建物⑬は、トンネルの上ではありません。

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写真7 入出庫線・留置線真上

 写真7は、写真6のT字路を反対から見た状態です。入出庫線・留置線トンネルは奥から私の足元に向かって走って来ます。

 建物⑨は一部がトンネルの上で、建物⑫は完全にトンネルの真上です。

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写真8 入出庫線・留置線真上

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写真9 入出庫線・留置線真上

 写真8は、入出庫線・留置線トンネル真上の風景です。トンネルは左奥から右手前に向かって走っています。4線分ありますので、結構な幅です。

 奥に見える建物⑬はトンネルの上ではありませんが、手前の建物⑭と建物⑮はトンネルの上です。

 写真9は写真8と同一地点で撮影したものです。建物⑮⑯いずれもトンネルの上です。こうして見る限り、真下にトンネルがあるようには見えませんが。

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写真1 空中写真(1979年11月撮影)

 写真1を再掲載します。現在建物⑮⑯があるところ(建物⑭の右側)は、写真1ではまだ更地のままです。入出庫線・留置線トンネルを埋め戻した跡が生々しく、その経路と幅がはっきりわかります。

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写真10 トンネル上の建物

 写真10は、大島小松川公園わんさか広場の前から西側を撮影した風景です。写真1と写真2を比較することにより、建物⑰はかなりの部分が入出庫線・留置線トンネルの上であることがわかりますが、3階建で軽量鉄骨構造のようなので、トンネルに影響を及ぼすほどの重量はありません。

 一方、建物⑱は建物全体が入出庫線・留置線トンネルの上に位置し、構造的にも結構重量がありそうな鉄筋コンクリート構造6階建です。もともとトンネルがこの程度の荷重まで耐えるようになっているのか、それとも建物⑱の基礎を工夫しているのか、詳細は不明です。

4.まとめ

 東大島駅から南西に200m程度離れたあたりは、入出庫線と留置線がそれぞれ複線、合計4線という幅広のトンネルになっています。開業間もない頃に撮影された空中写真より、そのトンネル経路を確認することができます。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。