1.はじめに
都営地下鉄新宿線の東大島駅は旧中川の真上です。この旧中川は江東区と江戸川区の区境になっているため、東大島駅も区境になっており、プラットホームには両区の行政区分標があります。
2.旧中川とは
もともとは中川でした。しかし、荒川放水路(現荒川)が中川と交差するように建設され、中川の水は途中から荒川放水路とぴったり並行して東京湾に流れるように経路が変更されました。この荒川放水路によって分断された中川の下流部分が「旧中川」です。
ちなみに荒川放水路に通水開始、すなわち旧中川ができたのは1924年のことです。旧中川と称するようになってからそろそろ1世紀になるわけですね。
3.東大島駅を突っ切る区境
旧中川のすぐ東には荒川と中川が流れています。幅の広い川ですが、上記のような歴史があるため、荒川が区境になっている区間は意外と短く、江東区と江戸川区の区境は旧中川が主体という感じです。
写真1は、旧中川と交差する都営新宿線東大島駅です。旧中川の西側は江東区の大島、東側は江戸川区の小松川です。このような状況だと駅名として両地名を足すという事例が多くありますが(小竹向原駅など)、ここでは江東区側の地名に東を付した駅名となりました。江戸川区側の圧力がもっと強かったら、大島小松川駅となっていたかもしれません。
ちなみに東大島駅の出口の名称は、江東区と江戸川区のそれぞれの地名より、大島口、小松川口と称しています。西口、東口の方がわかりやすいような気もしますが…。
写真2は、昔の東大島駅です。窓が小さくて壁面ばかりが目立っており、これを逆手にとって、新宿線の宣伝看板になっていました。
2016年ごろに改修工事が実施され、窓が大きくきれいに(もちろん宣伝も無しに)なりました。
写真3は現在の駅風景です。写真2と比較すると窓が大きく明るくなっていることがわかります。そして…よく見ると何やら気になる表示があります。
「気になる表示」は行政区分標(写真5および写真6)と称するようです。駅が区境、市境、県境という事例は珍しくありませんが、ここまででかでかと「境目」が表示されている例はあまり多くないように思います。
この行政区分標に関しては、恥ずかしながらつい最近その存在を知りました。
区境は駅を横切っているわけだから反対方面行ホームにもあるだろう…と思って探したら、正面ではなく左斜め前方にありました。なぜだ?と思いましたが、東大島駅は旧中川に対して斜めになっているわけですから(写真1)、当たり前ですね。
4.余談
昔々、東大島駅大島口の改札口を出てまっすぐ20mほど歩いたところに、中華料理店がありました。大盛で注文しなくても料理が山のように盛られてくる店で、ウェイトレスさん(年齢比較的高かった)は「普通盛で十分ょ。大盛にしたらこぉ~んなだから、食べきれないよ…」と言いながら手で山を作っていました。
最近、ふと気になってその店を訪れようとしたら…
写真8および写真9のようになっていました。見事に消滅しています。「本当にここだったのかな…」と記憶に自信が無くなってしまいました。
何という名称のお店だったんでしょうね…。
5.まとめ
東大島駅は江東区と江戸川区の境目です。駅には行政区分標があります。東大島駅大島口には中華料理店があったように思いますが、消滅していました。
なお、大東島は沖縄県です。
以上
さかいめ さかιゝ さかτゝの
さかτっ さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。