1.はじめに
現在、森アーツセンターギャラリー&スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で「天空ノ鉄道物語」が開催されています。今回の記事はその2回目で、地下鉄関連の展示品に関してです。
2.懐かしい展示品と若干マニアックな展示品
懐かしい展示品として、帝都高速度交通営団のSマーク、丸ノ内線のサインカーブ、磁気券用自動改札機がありました。いずれも現在は不要なものですが、廃棄処分されずに保管されているんですね。
若干マニアックな展示品として、シールドマシンの模型、路線名を示すボールなどもありました。
3.展示品の写真
帝都高速度交通営団と言えばこのSマーク(写真1)です。ウルトラ警備隊のマークとも似ています。Sは下記を意味しているそうです。
SUBWAY
SAFETY
SECURITY
SPEEDY
SERVICE
会場に展示されているSマークはとにかく大きいので驚きました。いったいどこに取付けられていたのだろう?と思いながら説明文を読んだら、本社ビルに掲げられていたんだそうです。
では現在の本社ビルはどうなっているかというと、こんな感じ(写真2)です。もちろん掲げられているのはMマーク。ちなみに手前に見えるものはペデストリアンデッキ設置のもので、東京メトロとは関係ありません。
写真3の上段は銀座線01系車内ドア上に取付けられていた表示器です。ハードウェアによる装置で、新たに駅が造られたり駅名変更があるとこの表示器自体交換・改造しなければならなりません。時代を感じさせます。
写真3の下段は丸ノ内線のサインカーブですが、ひとつだけ展示されていると何なのか瞬間的にわかりません。
サインカーブは丸ノ内線の電車にこのように取り付けられていました(写真4)。線の幅を考えるとサインカーブより少し間延びしていることになります。写真4は地下鉄博物館に保存されている300形です。近年の銀色(ステンレスやアルミ)の電車とは異なり、手造りの味わいがある電車です。
最初目にした時は気づかなかったのですが、「磁気券用」自動改札機(写真5)が展示されていました。今やピッと触れるのが当たり前になってしまいましたが、昔はすべての切符を機械の中に通していたんですね。さらにその前は人間が確認していたわけですが…。
ほとんどの観客はこの模型(写真6)の存在とその価値に気づいていないようでした。地下鉄トンネルを掘削するために無くてはならないものなのですが…。近年は単純な茶筒状ではなく、いろいろ工夫された形状になっています。
展望台の天井付近を見ると、アルファベットが書かれたボールのようなものが並んでいます(写真7)。これは地下鉄路線名を示しています。もちろん、周囲の色は路線のシンボルカラーです。
並べてある順序は…都営地下鉄と東京メトロそれぞれ開業順ですね。アルファベットを読むと「アイセ…」まではよいのですが、その先は子音だらけで読めません。
A:浅草線 (1号線)
I:三田線 (6号線)
S:新宿線 (10号線)
E:大江戸線(12号線)
G:銀座線 (3号線)
M:丸ノ内線(4号線)
H:日比谷線(2号線)
T:東西線 (5号線)
C:千代田線(9号線)
Y:有楽町線(8号線)
Z:半蔵門線(11号線)
N:南北線 (7号線)
F:副都心線(13号線)
それでは…ということで、路線番号順に並べ直してみると、母音が適度に散らばりました。「アーグムタイニーチェフ」とでも読むのでしょうか…。何語でしょうね。
A:浅草線 (1号線)
H:日比谷線(2号線)
G:銀座線 (3号線)
M:丸ノ内線(4号線)
T:東西線 (5号線)
I:三田線 (6号線)
N:南北線 (7号線)
Y:有楽町線(8号線)
C:千代田線(9号線)
S:新宿線 (10号線)
Z:半蔵門線(11号線)
E:大江戸線(12号線)
F:副都心線(13号線)
4.まとめ
「天空ノ鉄道物語」に展示されている地下鉄関連品はなかなか興味深いものが多く、愉しめました。すでに不要になったものであっても保管されていることがわかりました。シールドマシンの模型、路線名のボール等、わかる人にしかわからない展示もありました。
以上
ちかてつの
さかてつでした…