地底から音が響いてくる穴が住宅地に…

1.はじめに

 「東京メトロ東西線のトンネルはどこにあるか」を連載しています。今回は中野駅東側住宅地の「地底に続く穴」に関してです。

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写真1 工事中の空中写真(1965年8月)

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写真2 近年の空中写真(2017年5月)

2. No.3換気口からNo.4換気口まで

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写真3 No.3~4換気口の位置

 東京工科自動車大学校(写真3中No.3標記付近)を過ぎるあたりから、東西線トンネルは半径500m左曲線になります。そのため、東に進むにつれて東西線トンネルは中央線からどんどん遠ざかります。このあたりは住宅地になります。

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写真4 No.3換気口

 東京工科自動車大学校の建物の脇には、緑フェンスに囲まれたNo.3換気口(写真4)があります。歩道などにある換気口にはNo.が表示されているものですが、この換気口に「3」という表記は見当たりません。しかし中野駅から数えて3つ目ですし、管理地と記された札に表示されている施設管理番号は2つ目~6つ目の換気口で連番となっています。したがって、写真4の換気口はNo.3で間違いないだろうと思われます。東西線はこの換気口の下を走っています。

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写真5 No.3換気口の送水口

 No.3換気口を囲む緑フェンスには窓があります。換気口の送水口に接続するホースを通すためだろうと思います。ちなみに送水口とは消防車からのホースを接続し、消火用の水をトンネル内に導くためのものです。この換気口には送水管が設けられていて、東西線のトンネル内まで続いているわけです。余談ですが、港区には送水口に関する博物館があります。
【送水口博物館】https://me38a.hatenablog.com/entry/2019/01/26/211133

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写真6 東西線の真上の建物

 No.3換気口(写真4)の東側にある東京工科自動車大学校の建物(写真6)は東西線の真上です。東西線のA線は、写真右奥から左手前に向かって走っています。このあたり、東西線トンネルはすでに半径500m左曲線になっていますので、曲がるにつれて住宅地の中にどんどん入っていきます。ちなみにこの建物の左奥に見える架線は、中央線のものです。

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写真7 住宅地の中のNo.4換気口

 写真6の場所から40mほど離れたところ(写真7)は、何の変哲もない住宅地…のようですが、右手に緑色のフェンスが見えます。No.4換気口です。写真を撮影していると、地底からゴーッという音が響いてきました。東西線A線がこの地下を右から左に走っているのです。理屈ではわかっているのですが、地底に続く穴が住宅地にぽっかりと口を開け、そこから音が響いてくるというのは何とも不思議な感じです。

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写真8 No.4換気口

 No.4換気口(写真8)は住宅と住宅の間にでんと構えています。緑色のフェンスがあり、そこに東京メトロの管理地である旨記載された札が取付けられているので何物なのか見当がつきますが、クリーム色のコンクリートだけだと「これは何だろう?」ということになりそうです。住宅地のど真ん中に「地底に続く穴」があるというのは、やはり不思議な光景です。

3.まとめ

 東西線は半径500m左曲線の区間にさしかかり、住宅地にどんどん入り込んでいきます。そこには「地底から音が響いてくる穴」が散在しています。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】
写真1~3は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データ(KT657Y-C3-14、CKT20176-C24-18)を私が編集・加工したものです。