「地下鉄はどこを走っているか」記事を書くまでの手順

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 「地下鉄はどこを走っているか」シリーズに関して、記事を書くまでの手順をご紹介します。今まで記載してきた路線に関しては、だいたい下記のような手順を踏んでいます。

【1】地図を見て、道路の真下を走ってなさそうな区間を見つけます。道路がない民有地に地下鉄経路が記載されている場合はもちろんですが、「道路の曲がり具合が急であるにもかかわらず、地下鉄の経路がその通りに記載されている」場合も、道路の真下を走っていない(民有地に食い込んでいる)と考えられます。

【2】建設史を読み、上記(1)が正しいか確認します。もちろん、上記(1)で想像した通りであるとは限りませんし、想像から外れてほしいと思うこともあります。そもそもこのシリーズを始めたのは「地図には『まっすぐな道路の下にまっすぐ地下鉄経路が記載されている』にもかかわらず、電車に乗っているとなぜか左右にうねっているように感じる」(https://me38a.hatenablog.com/entry/2018/11/18/170643)が原点ですから、常に地図を疑わなければならないわけです。建設史を見ながら、現地調査のやり方を検討します。

【3】現地を歩きます。持参するのは地図とカメラと筆記用具です。建設史はネット公開されているものを参照していますが、現地へパソコンなどは持参しません。現地を歩く際にいちばん重要なのは「自分自身の眼による観察」です。あらかじめ決めてあった調査内容はもちろん、その他どんな細かいことも見落とさないよう、視野の隅から隅まで神経を集中します。音やにおいが路線経路決定の決め手になることもあります。経路を示す証拠物件が見つかった場合はもちろん撮影しますが、そうでなくても気になる事象があれば撮影記録します。具体的には、換気口、換気塔、壁面が斜めの建物、部分的に階床が少ない建物、不自然な空地、等々です。

【4】帰宅してから、紙の地図、Yahoo!地図、Googleマップ航空写真、建設史、参考書籍などと現地調査結果を突き合わせ、地下鉄の経路を推定していきます。この段階において、数多くの疑問点が生じます。「ここが経路だとするとこの大きな建物の下を走ることになるが、本当か?」「現地で見た換気口の位置は推定経路からかなり離れているが、推定は正しいか?」「建設史には換気口が記載されているが現地では見つけられなかった。なぜか?」…山のように疑問が湧いてきます。

【5】疑問を解くために再度現地調査します。必要に応じ、【3】【4】を繰返します。

【6】疑問が解けたら記事を書きます。しかし、書き始めてから【3】【4】をやり直したことがあります。

 上記をご覧になって「じっくり各種資料を調査してから現地確認すれば1回で済むではないか」と思われるかもしれません。しかし「現地がどうなっているかある程度分からないと資料を見ても疑問が湧かない」「資料をある程度頭に入れておかないと現地へ行っても事象を発見できない」のです。資料にしても現地にしても、問題意識を強く持って見ないと「何も見えない」(網膜に像が写っているだけ)ということです。

 かなり神経を集中することになりますので、仕事で疲れている時などは建設史を見ても頭が回りません。現地へ何回も行くので、それなりに時間と交通費もかかります。夏は暑いし冬は体が凍りそうです。しかしそれをはるかに上回る発見や驚きがあります。

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 さて、このシリーズでは今後東京メトロ東西線に関して記載の予定です。東西線に関しては現地をひと通り歩きましたので、【3】の段階ということになります。少しずつ【6】すなわち記事を各段階に持っていく予定です。

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ちかてつ
さかてつでした…