弁慶濠の水中を走る丸ノ内線

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写真1 赤坂見附交差点

 いろいろな地図を見ると、丸ノ内線赤坂見附駅を出ると左に曲がって「外堀通の下を」走っていることになっています。赤坂見附駅にある案内地図も上記のように記載されています。しかし、残念ながらこれらの地図は正しくありません。丸ノ内線は弁慶濠の水の中を走っているのです。

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写真2 弁慶濠(弁慶橋より)

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写真3 弁慶濠(弁慶橋より)

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写真4 弁慶濠(弁慶橋より)

 丸ノ内線赤坂見附駅を出ると半径182.881m左曲線で赤坂見附交差点(写真1)を通過して、弁慶橋から50mほど離れたところで弁慶濠(写真2~4)の中に入ります。半径182.881mとは妙に細かい数字だと思いますが、建設史にそのように記載されています。周囲の制約条件を満たす曲線にしたらこの半径になった…ということなのでしょうか。

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写真5 No.104換気口

 丸ノ内線はNo.104換気口(写真5)の下を走っています。写真を撮影していると、換気口からゴーッという電車の通過音が聞こえてきます。写真5の右奥に見えるのは東急プラザで、写真1の左奥に見えているものと同一の建物です。

 

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写真6 No.105換気口

 No.104換気口(写真5)の位置は、写真3にも黄↓印で記してあります。丸ノ内線はこのあたりから弁慶濠の水の中に入るわけです。写真4において水色の浚渫船の下あたりを通って奥に向かっています。
 完全に弁慶濠の水中に入ると丸ノ内線のトンネルは7~80mほど直線区間になりますが、今度はすぐに半径200m右曲線になります。そして護岸をくぐり、外堀通の紀伊国坂の下にもぐり込みます。半径200m右曲線が終わるあたりにはNo.105換気口(写真6)があります。

 

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写真7 紀伊国

 紀伊国坂を南から見上げると写真7のようになります。丸ノ内線は写真右側の弁慶濠から半径200m右曲線でこの紀伊国坂の下にもぐり込んで登っていきます。高速道路の橋脚が左側に出っ張っていますが、地図等を照合すると、この下を丸ノ内線はくぐっているようです。

【参考資料】
 1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道丸ノ内線建設史(下巻)」帝都高速度交通営団(昭和35年)
  P.120先「図77 西銀座・新宿間線路平面図及び縦断面図」
  P.171「図118 弁慶濠付近平面図」