スタイッッチチ式

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写真1 横断歩道脇の表示板

英語を母語とする方、あるいは英語をそれなりに読み書きできる方が写真のような表示板を見た場合、迷わずアルファベットを「Please touch the switch」と読むと思います。視線の動く向きは「横(左→右)を2回繰返し」です。

一方、日本語を母語とする方がこの表示板を見た場合、これも迷わずカタカナを「タッチ式スイッチ」と読むことでしょう。この場合、視線の動く向きは「縦(上→下)を2回繰返し」です。

では、英語を母語とする方が日本語を学び始めたとして、これをどう読むか…

おそらく「スタイッッチチ式」と読むのではないでしょうか。視線の動く向きは「横(左→右)を4回繰返し」です。もちろん、読めたところで意味は理解できないはずです。スタイッッチチ式という単語はありませんから。

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日本語は縦書きと横書きが混在していますが、時と場合によって読む側が無意識のうちに判断しています。今回の例では、「タッチ式」「スイッチ」という単語をまず認識し、それに基づき「この場合は縦書きだ」と判断して読んでいるのでしょう。

一方、日本語を学び始めたばかりで単語が頭に入っていない場合は、一文字ずつ「横に」読んでしまうのではないでしょうか。

なかなか興味深い表示板だ…と、信号待ちしながら思いました。