福島交通モハ1203

モハ1201~1203共通の内容に関してはすでにモハ1202の記事に記した通りですので、今回は差異を中心にモハ1203について記します。

 

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写真1~2 東側面(1984年)

モハ1202と同様、床下には主として電気関係の機器が艤装されています。

 

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写真3 東床下(1985年)

モハ1202の台車は雨宮H2でしたが、モハ1203は平凡な日車D-16です。

 

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写真4 北先頭部(1985年)

モハ1202と全く同じようですが、よく見ると雨どい下の赤とクリームの塗分け線がモハ1202より少し高いことがわかります。誤差範囲ということだと思いますが…。

 

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写真5 西側面(1985年)

モハ1202とモハ1203はほとんど同じですが、台車が違うためモハ1203の方が平凡に見えます。

 

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写真6~7 西側面(1984年)

主として空気関係の機器が艤装されている点ではモハ1202と変わりありません。細かい差異を申せば、定員標記の有無、可溶器の取付位置、充電スイッチ取付位置、空気圧縮機吸気部の位置と向き、形式・自重・換算標記の位置ぐらいでしょうか。

ところで、車体標記を見ていて妙なことに気づきました。定員はどちらも100名なのに、積車の数値に差があるのです。現車仕上がり重量のばらつき、計測器精度の影響などだろうと推定しますが、律義だなと感じました。

・モハ1202の標記
 形式 モハ1200
 自重   24t
 換算 積 2.8
    空 2.4

・モハ1203の標記
 形式 モハ1200
 自重   24t
 換算 積 2.9
    空 2.4

参考資料
 1.川上幸義「福島交通(鉄道線)」「私鉄車両めぐり特輯(第Ⅲ輯)」P.10~17 鉄道図書刊行会(昭和57年)
 2.瀬古龍雄「35年前の東北私鉄」「鉄道ピクトリアル1987年3月臨時増刊号」P.54~58 鉄道図書刊行会(昭和62年)
 3.松原淳「福島交通」「鉄道ピクトリアル1987年3月臨時増刊号」P.152~155 鉄道図書刊行会(昭和62年)
 4.「日本民営鉄道車両形式図集(上編)」鉄道図書刊行会(昭和51年)
 5.「日車の車輌史 写真・図面集-台車編」鉄道史資料保存会(2000年)