写真1 歩道 写真2 ブロック塀
まず写真1,2をご覧ください。どこが区境か申すまでもないと思います。スパッと分断された歩道、そしてその延長線上にまっすぐ続くブロック塀。左側が中野区、右側が練馬区です。
写真3 区境で途絶える道路 写真4 細い道路から見た状態
この区境で道路は急に細くなってしまいます。自転車以外の車両は進入禁止ですから、クルマにとっては道路が急に消滅するのと同じことです。この先迷路のようになってしまいますから、歩行者にとってもわかりにくいと思います。
境目好きにとっては区境が明確にわかる例としておもしろいのですが、都市計画という面ではいろいろと問題のある光景です。ちなみに1927年東京都市計画街路網図において、この道路は中野区を貫通しています。なぜ中野区がこの道路工事を取りやめてしまったのかはわかりません。
ところでなぜここに区境があるかという話ですが、100年ほど前の地図を参照しても今と同様に境目が走っています(ただし当時は畑や荒れ地の中)。このあたり、特に起伏があるわけでもなく、半ば自然発生的に村落どうしの境目ができて現在に至っているということなのではないでしょうか。だからといって、区境でいきなり道路が消滅というのも困った話です。
趣味的にはおもしろくても、お住まいの方々にとってはやっかいな状態なのかもしれません…という事例でした。