連結器は、車両と車両を物理的につなげるためのものです。連結器にもいろいろ種類がありますが、JRの在来線電車で一般的に使用されているのは密着連結器です。
ところで、密着連結器には空気菅が取付けられており、車両をつなげると同時に空気菅もつながるようになっています。1枚目の写真は電磁直通ブレーキを使用している車両(115系や485系など)の密着連結器です。電磁直通ブレーキは「直通管圧力によりブレーキ力を指令(応答性を高めるために引通し線による電磁弁動作も併用)」という方式ですから、直通管が設けられています。
電磁直通ブレーキはフェールアウトシステムですから、バックアップ用として自動ブレーキが併設されており、そのためブレーキ管が設けられています。もちろん、ブレーキ方式に関係なく空気供給元は必要ですから、元空気溜め管が設けられています。
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2枚目の写真は209系の密着連結器です。ずいぶんすっきりしています。
209系は電気指令式(電気信号によりブレーキ力を指令)ですので空気圧指令用の直通管は不要です。また非常用の引通し線によりフェールセーフとしているため自動ブレーキは有しておらず、ブレーキ管もなくなりました。
さすがに空気供給元を無くすわけにはいかないので、元空気溜め管だけは残っています。