旧日本銀行京都支店

現在、京都文化博物館の別館として使われている「辰野式建築」です。場所は三条通高倉西入、竣工は1906年(明治39年)です。

 

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まず最初に気づくのが(1枚目の写真)、入口上部の大きな突出です。築地本願寺を連想させます。しかし現在の築地本願寺の建物ができたのはこれよりずっと後の1934年(昭和9年)ですから、真似をしたわけではありませんね。

 

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次に気付くのが、左右に枠の無い窓開口部です。2枚目の写真は中庭側の2階窓ですが、窓枠上部が浮遊しているような感じさえあります。これは1階の窓(3枚目の写真)も同様で、なんとなく不安定な感じです。4枚目の写真は道路側(東側:高倉通側)ですが、1階と2階の窓を両方同時に見ても不安定感は消えません。

 

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東京駅(1914年開業)以前の設計だからなのか、あるいは弟子の長野宇平治と一緒に設計したせいなのか、全体的に(5枚目の写真)若干の不完全さを感じます。ひょっとすると意図的なものなのかもしれませんけど。

 

 対比参考用です。

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築地本願寺:独特のデザインですね。

 

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東京駅:窓枠の左右も白い石でふちどりしてあるので、安定感、重量感があります。