【葛飾区と江戸川区の境目】商店街の道幅が急に変わる話

 京成電鉄京成小岩駅(江戸川区)から北に向かって商店街が続いています。ところが、地図を見ると葛飾区に入ったとたん、商店街の道幅が狭くなります。今回はこの道幅急変部(区境)に関するお話です。

1.空中写真

 まず、現地の空中写真からです。

写真1 2019年撮影

 写真1の南方に京成小岩駅があり、駅付近から続く商店街が写真中央付近を北上しています。地図記載と同様、空中写真でも区境(赤い線)を越えて葛飾区に入ったとたん、道幅が狭くなっています。

 

写真2 1963年撮影

 写真2は今から60年ほど前の空中写真です。その頃の地図を見ても区境は現在と変わっていません。道幅が急変しているという点も現在と変わりありません。

 

写真3 1936年撮影

 さらに探してみたら、1936年の空中写真が見つかりました。葛飾区と江戸川区は1932年つまり今から90年前に東京市35区の一部として誕生しましたが、この写真はその4年ほど後ということになります。見渡す限り田畑という感じです。それでも江戸川区側は区画整理が完了しています。一方、商店街の道幅急変部より北(葛飾区側)には、道さえなかったことがわかります。

【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。

 

2.現地の状況

写真4 商店街(①地点)

写真5 商店街

 写真4は江戸川区側から見た商店街です。「千代田通り商店街」という表示があるところはまだ江戸川区で、その先、道幅が狭くなったところから葛飾区です。商店街入口の田印(小さな□は4個ではなく9個ですが)を見ると、1936年の空中写真(写真3)の江戸川区側道路状態を連想します。

写真6 区境(②地点西側)

 写真6は道幅が狭くなるところ、すなわちインターロッキングブロッキングによる舗装の範囲が狭くなるところです。歩行者専用標識の手前は江戸川区、奥は葛飾区です。

 

写真7 区境(②地点西側:2017年)

 写真7は区境です。アスファルト舗装範囲の右側が区境であろうと思われます。自転車はその大半が江戸川区、前輪の前1/6程度がわずかに葛飾区に入り込んでいる…ということのようです。自転車の色が写真6と異なるのは撮影年が異なるからで、見る方向によって色が変化するわけではありません。

 

写真8 区境(②地点東側:2017年)

写真9 区境(②地点東側:2022年)

 写真8と写真9は、②地点東側の区境です。5年ほどの間に状況が変化しています。もともとコンクリートで舗装されていたところが土に戻っているのが不思議な感じです。

写真10 区境(②地点東側:拡大)

 写真10は、区境を拡大したところです。「道界 江戸川区」の文字があるところは江戸川区、ブロック塀は葛飾区ということになります。

 

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さかてつでした…