田端のC

写真1 田端のC

写真2 田端のC(拡大)

 ある日、田端駅で電車を待っていたら、視野に妙なものが入って来ました。Cです。写真2は拡大したものですが、やはりCです。視力検査の際に用いる「ランドルト環」そっくりです。プラットホーム上で視力検査するためでしょうか。視力0.5もあれば切れ目の方向はわかりそうです。いや、視力検査の際は眼とランドルト環の距離をきちんと規定しないといけません。Cの真上に立って視力検査するとしても、身長によってランドルト環との距離が変わってしまい、正確に視力測定できません。

 また気になるのが▲印です。「こちらが切れ目だよ」「こちら向きに視力検査しなさい」「▲印の指す方を見なさい」…よくわかりません。なぜか180度反対側にも▼印が付されています。

 そうこうするうちに電車が来たので、「田端のC、田端のC…。このあたりは視力の低い人が多いのだろうか…謎だ。」とつぶやきながら電車に乗りました。

写真3 田端の別のC

写真4 田端の別のC(拡大)

 別の日、田端のCの謎を解くため、プラットホームの端から端まで調べてみました。何と、田端のCはひとつではなく、別のCが存在しました。こちらは▼印がひとつだけでした。

写真5 神田のC

写真6 神田のC(拡大)

写真7 向かい合ったC

 Cは田端だけの特異現象かと思っていたら、なんと神田にもCがありました。神田のCです。視力0.5程度あれば見えるという点は変わりがありませんが、「向かい合ったC」(写真7)も見つけてしまいました。ふたりで向かい合って同時に視力検査している様子を思い浮かべると愉しくなりますが、朝、プラットホーム上でこんなことをやっていると結構じゃまです。

写真8 新宿のC

 また別の日です。新宿にもCがありました。

写真9 さらにC

写真10 さらにC(拡大)

 気にし始めると、実はあちらこちらの駅にCが存在していることがわかりました。今までただ単に気づかなかっただけなのです。

写真11 解明されたC

写真12 解明されたC(拡大)

写真13 解明されたC(拡大)

 さて、そろそろ謎解きです。あちらこちらの駅でCを調べていくうちに、ある規則性に気づきました。写真11~13をご覧ください。プラットホームに電線管が埋め込まれています。その所在と方向を示しているわけですね。埋め込まれた電線管の起点は▲印がひとつ、電線管中間付近は▲印と▼印を付しているものと考えられます。CはたぶんCableの略でしょう。

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 深い謎だった「田端のC」、約2か月後にその謎は解けたのでした。

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さかてつでした…