写真1は筑波鉄道キハ504形のNA302台車です。キハ700形のNA4D台車(写真2)は台車枠が鋳鋼製でしたが、キハ504形のNA302台車はキハ500形のNA6台車(写真3)と同様、プレスした鋼板を溶接する構造になりました。溶接技術が進歩したからこそこのような構造ができたわけで、鋳鋼製のNA4Dに比べて軽量化が進みました。
NA302台車の枕ばねはダイヤフラム形空気ばね(図6)です。当時はまだベローズ形空気ばね(図5)が主流だったころで、なかなか進歩的だったわけです。ベローズ形空気ばねを採用している例として国鉄の12系客車(写真4)を掲載します。
なかなか進歩的なNA302台車ではありましたが、それを導入した常総筑波鉄道としては空気ばねを信頼していなかったようで、空気ばね台車を採用したのは5両中2両のみでした。それ以外の3両は写真3に示したNA6台車で、枕ばねも軸ばねと同じく金属コイルばねでした。
余談ですが、ベローズは「蛇腹」、ダイヤフラムは「横隔膜」をそれぞれ意味します。なお、揺れ枕の内部は補助空気室として使われており、空気ばねと接続されて空気が流通するようになっています。
そもそも筑波鉄道キハ500形、キハ504形って何?ということに関しては下の記事をご参照ください。↓
以上
ちかてつの
さかてつでした…