日車製の気動車キハ500形

 タイトルの気動車に関する本がもうじき発売になりますが、今回の記事はその一部を抜粋したものです。

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写真1 主要寸法

 写真1は、関東鉄道キハ500形キハ502の主要寸法を示したものです。車体は一見前後対称のようですが、排気管が通っている部位は窓の間隔が770mmと広くなっています。

 キハ500形は1959年製ですが、この頃いわゆる「日車標準形電車」が製造されました。バス窓である点など似ていますが、窓まわりの寸法は意外と異なります。キハ500形と「日車標準形電車」、どちらが美しいか好みの分かれるところですが、私はこのキハ500形の方が均整が取れていて好きです。

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写真2 使用路線による相違点

 キハ500形は全車両同時に新製されましたが、関東鉄道筑波鉄道に20年も分かれて過ごすうち、写真2に示したような相違点(赤文字部)が生じています。キハ502が国鉄標準形の空気清浄器であるのに対し、キハ503は独特の形状です。制御空気溜の艤装位置も異なります。キハ503屋根上にはアンテナが残り、通風器は一部交換されています。客室扉の取っ手も残っていますし、車体標記の仕方も異なります。

 保守員氏も使用線区により異なりますね。

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写真3 新製当初との比較

 関東鉄道キハ500形キハ502に関して、1959年新製当初と1982年の状態を比較します。写真3よりおわかりの通り、変更点は圧倒的に床下機器に多くなっています。なお、取っ手撤去と握り棒追加(赤文字部)は関東鉄道のキハ500形のみで、筑波鉄道キハ503にこれらの改造は実施されていません。

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写真4 新製当初との比較

 写真4は、写真3の反対側面です。車両は筑波鉄道キハ500形キハ503ですが、新製当初と1985年の状態を比較したものです。こちらの側も変更点は圧倒的に床下機器に多くなっていますね。客室扉の取っ手撤去と乗務員室扉の妻面寄り握り棒追加は関東鉄道キハ500形のみで、筑波鉄道キハ503の場合、取っ手はそのままで、握り棒追加もありません。

 

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ちかてつ
さかてつでした…