関東鉄道キハ700形雨どいの謎

 昔、関東鉄道にキハ700形というディーゼル動車がいました。1957年に日本車輌製造の東京支店で常総筑波鉄道キハ48000形としてキハ48001とキハ48002の2両が新製されました。その後、総括制御化、ブレーキ装置DA化、キハ700形へ改番、ロングシート化、3扉、踏段撤去など次々に改造されて働き続け、1989年に廃車となりました。その間、1965年に常総筑波鉄道は鹿島参宮鉄道と合併して関東鉄道になりましたが、他の鉄道へ異動することはありませんでした。

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写真1 キハ700形(1988年1月)

 さて、今回はこの車両の雨どいの謎です。もし、下記の書籍①~③をお持ちでしたら、新製間もない頃のキハ48000形の図と写真を参照ください。

 ①山崎喜陽『日本の車輛スタイルブック』機芸出版社,1967
 ②湯口徹『レイルNo.19 私鉄紀行/からっ風にタイホーンが聴える(上)』プレスアイゼンバーン,1986
 ③日本車両鉄道同好部,鉄道史資料保存会『日車の車輌史 図面集-戦後私鉄編』鉄道史資料保存会,1998

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図2 新製直後の雨どい

 上記の書籍①~③を転載すると著作権侵害になるので、私が描いたポンチ絵を図2に示します。ご覧の通り、雨どいおよび雨どい管は特異な形状になっています。図中に雨どい管と記しましたが、縦方向は前方に向かって開いている「雨どい」(水切り)だった可能性も高いと思います。

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写真3 キハ700形(1985年8月)

 写真3は1985年に撮影したものですが、この頃にはごく一般的な構造になっています。

 なぜこのように特異な雨どいにしたのか、謎です。

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ちかてつ
さかてつでした…