免震構造の建物は、地盤(基礎)と建物の間に積層ゴムなどの弾性体を入れてあります。そのため、地震により地盤が水平方向にガタガタと揺れても建物はゆっくりと動き、建物の損傷を防ぐと同時に内部にいる人たちのケガなどを防止します。
地盤と建物の間に弾性体があるわけですから、当然のことながら地盤に対して建物は相対的に変位します。そのため、人が通るところには免振エキスパンションジョイント(伸縮性のある部位)を設けます。
写真1は東京駅ですが、改札口に至る出入口通路に免振エキスパンションジョイントがあります。なかなか凝った造りで、短冊状の板が5枚重なっているように見えます。
写真2も東京駅で、通路ではありませんが人が近づく場所なので、免振エキスパンションジョイントを設けてあります。ここは短冊状の板を2枚重ねてあるようです。
写真3は、写真2の奥に見える部位です。壁面にステンレス製の蛇腹が取付けられています。
さて、それでは東京駅の場合どの程度変位するのかということですが、±300mmだそうです。つまりpeak to peakだと600mmということです。写真1~3の構造ならこの程度の変位は十分吸収できそうであり、素人の私が見ても安心感があります。
さて、写真4は某所(東京駅とは全く異なるところ)にある建物の免震構造に関する表示です。最大650mm(65cm)ずれると記されています。しかし、これが±650mmなのかpeak to peakで650mmなのかはっきりしません。まずこの点が気になりました。
写真5は、写真4の建物の免振エキスパンションジョイントです。最初、どこで変位を逃げるのか、パッとわかりませんでした。ちなみに、私が立っているところは免振領域、奥のアスファルトは道路で非免振領域です。
しばらく考えて、変位した場合は手前の縞鋼板(滑り止めの模様が付いた鋼板)がタイル舗装面に乗り上げる形になるのだろう…と思いました。ということになると、写真4の表示は縞鋼板の幅から考えてpeak to peakで650mm(振幅:±325mm)ということのようです。しかしもう少しよく見ると、縞鋼板の幅は300mm程度しかありません。さらに縞鋼板は免振領域と非免振領域いずれにも載っているわけですから、両領域同士の距離(すきま)は縞鋼板よりもさらに狭いはずです…。う~ん、地震の際に免振領域と非免振領域が縞鋼板の下で衝突しないのでしょうか…?
東京駅の免振エキスパンションジョイント(写真1~3)に比べると某建物(写真4~5)の免振エキスパンションジョイントは…問題ないのだろうか?と素人ながらちょっと不安になってしまいました。
以上
さかいめ さかιゝ さかτゝの
さかτっ さかてつでした…