東京オリンピックの頃に終点から建設された浅草線

 「東京メトロ9路線の開業年」が終わったので、次は都営地下鉄浅草線に関してです。

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図1 開業年と駅番号

 浅草線の起点は西馬込駅です。浅草駅から建設が進んだこともあって何となく浅草が起点のように感じますが、そうではありません。駅番号も西馬込駅から始まっていますが、これは起点だからということではなく「南から北へ」「西から東へ」という決まりになっているからで、たまたま同じになっただけです。
 東京メトロの場合は起点→終点の方向をA線と称していますが、都営地下鉄の場合そのような呼び方はありません。浅草線の場合はその進行方向から北行南行と称しています。
 ところで前回の東京オリンピックが開催されたのは1964年10月ですから、その時は大門駅から押上駅までしか開業していなかったわけですね。

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写真2 馬込車両基地の引上げ線

 浅草線には多摩川を越えて川崎まで伸ばす計画がありました。西馬込駅から南の方に歩いていくと、馬込車両基地があります。この車両基地には写真2のような立派な引上げ線があり、何となくこれが川崎方面への準備工事であるように感じますが、実はそうではありません。冒頭で起点は西馬込駅と書きましたが、建設史を参照すると西馬込駅は厳密には起点ではなく、415mに位置します。西馬込駅から「起点」まで第二京浜の地下にトンネルが続いているのです。

 もしも浅草線が川崎駅まで乗入れていたたとしたら、どこに駅ができたのでしょうか。駅間距離を均等にすると「池上三丁目」「矢口陸橋」「多摩川左岸」「小向東芝町」「神明町」「川崎」という感じになりますが、他路線との連絡は今ひとつですね…等々、想像するだけで楽しくなります。

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ちかてつ
さかてつでした…