とあるところを散歩していたら、ネコさんが側溝の中を行き来していました。
写真1は溝の中にいる状況を示していますが、写真2に至ってはトンネルの中も行き来しています。この様子を見ていて、中央線みたいだなと思いました…。
中央線といっても道路にある中央線ではありません。写真3の真下にある中央線です。
JR中央線の御茶ノ水駅-八王子間駅を建設したのは国鉄ではなく甲武鉄道です。1889年(明治22年)に新宿駅から下り方向に立川駅まで開業し、4か月後に八王子駅まで伸びています。しかし、新宿駅から都心方向に関しては陸軍との間で経路に関していろいろあったそうで、1894年(明治27年)から小刻みに開業し、御茶ノ水駅に達したのが1904年(明治37年)です。国有化されたのはその2年後でした。
さて、中央線は四ツ谷駅→市ケ谷駅→飯田橋駅→御茶ノ水駅とお濠の中を進みます。新宿駅は郊外でしたが、さすがに市ケ谷駅付近は明治時代でも宅地化されており、お濠の中を走るのは用地買収問題を解決するうまい方法だったと言えます。お濠には皇居(江戸城)から各方向に至る道の橋が架かっていたわけですが、電車はこの橋の下をくぐっていたため、当初から踏切なしにできたという点でも好都合でした。
写真6は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」からお濠の中を走る区間の空中写真データをダウンロードし、私が編集・加工したものです。こうして見ると側溝の中を行き来するネコさんとそっくりではありませんか!
以上
ちかてつの
さかてつでした…