諸元表とは、ある装置の概略を表にまとめたものです。鉄道車両に関しても形式ごとあるいは車両ごとに諸元表がありますが、これに記載された数値が結構ばらついているのです。今回は鹿島鉄道キハ600形に関して諸元表の中身を確認してみます。
1.自重
キハ600形のように数多くの改造を重ねている車両の場合、改造のたびに自重は変わります。各種資料に自重が掲載されていますが、その形式としての竣工時の値に過ぎなかったりします。結局のところ、現車に記載されている値がいちばん正しいということになります。
前回掲載した国鉄キハ42000形の図には25.56tと記載されていました。国鉄形式図によると25.8~27.2tになっており、1.4tも幅があります。製造所により異なるようです。1972年に車体両端の楕円形部分を一般的な形状に大改造しましたが、鉄道ピクトリアルなどによると1983年ごろはキハ601:28.4t、キハ602:27.0tとなっています。しかし、1986年に現車確認したところ写真2および写真3に示したように、それぞれ0.5t軽くなっています。1982年に車体更新しているのでその際に変化したものと思われますが、そうなると1983年ごろの値はすでに正しくなかったことになります。
いずれにせよ、1986年1月時点ではキハ601:27.9t、キハ602:26.5tが正解ということになります。2両ともその後再度改造されているので、自重は変化しているはずです。
2.最大長
この車両は1972年にキハ610と同様、車端部を一般的な形状に改造されましたが、車体の長さは19000mmで変っていません。最大長がそれよりも716mmあるいは694mm長いのは、連結器の分(それぞれ358mm×2、347mm×2)です。それではキハ601とキハ602の連結器はどう異なるのだろうと思い、写真を改めて確認してみました。
なるほど、写真4と写真5を比較すると、キハ601の方が若干大きい連結器を使用していることがわかります。連結器の長さ11mm差の理由は、連結器が異なる点にあったのでした。
今回はまずここまでです。
以上
ちかてつの
さかてつでした…