年齢差19歳の相手と顔の移植手術をした話 関東鉄道キハ703とキハ704

 少なからず昔の話になりますが、彼らは同じ会社で働いていました。一方は1954年生まれ、もう一方は1935年生まれでした。1935年生まれの方は別のところで働いていましたがクビになり、1952年に同じ会社に移ってきました。

 一緒に働くようになって月日が経ち、彼らは顔の移植をすることになりました。1965年のことです。これは、「1954年生まれの方の顔の半分を1935年生まれの方に移植し、無くなった半分には新たな顔を創る」「1935年生まれの方は、もともとあった顔をすべてなくしてから、1954年生まれの方から半分もらい、残り半分には新たに顔を創る」という大手術でした。

 もともと経歴が異なり19歳の年齢差がある彼らでしたが、移植により同じ顔を持つようになりました。そして、手をつないで一緒に働くことがいちだんと多くなりました。

 1983年には事故にあい、1954年生まれの方が顔に大けがをしました。その際、整形手術したため、顔立ちが変わりました。

 その後も彼らは同じ会社で働いていましたが、1989年に仲良くあの世へ旅立ちました。

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 1954年生まれの方は「関東鉄道キハ703」、1935年生まれの方は「関東鉄道キハ704」と称します。キハ704は昔、国鉄キハ42004でした。

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写真1 キハ703

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写真2 キハ704

 これらの運転台側の顔は、もともとキハ703のものでした。連結面側は顔移植と共に新たにつくられました。キハ703は事故で運転台側の顔を破損したため修理しましたが、目もとが細くなりました。移植を受けたキハ704の運転台側にもともとの顔が残っています。

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ちかてつ
さかてつでした…