1.はじめに
蕨市は日本でいちばん面積が小さい市として有名です。この市にはひとつだけ駅があります。東北本線(京浜東北線)の蕨駅です。今回は、この蕨駅のすぐ近くの市境に関してです。
2.現地の状況
蕨市は蕨駅の近くで川口市と接しています。写真2に赤い2点鎖線で市境を記しました。
写真3は蕨駅東口の近くの交差点(写真2の①)で東の方を見た状態です。道路に中央分離帯があり、そこに黄色い棒が立っていますが、ここが市境のようです。都内だと両区の境界標が接して火花を散らすような雰囲気だったりしますが、郊外はおおらかです。境界標などありません。
写真4は、写真3と同じ場所(写真2の①地点)で西の方を見た状態です。中央分離帯の代わりに駐輪場があります。よく見ると南側(写真左側)と北側(写真右側)で、駐輪場案内板の色と設置高さが異なっています。この駐輪場の真ん中が市境のようです。
写真5は、写真2の②地点で駐輪場を見たところです。左側の駐輪場所の脇に「自転車盗多発!」という看板があり、下の方には蕨市と書かれています。右の看板の下の方には川口市と書かれています。同じに見える駐輪場ですが、管轄が異なるのです。いかにも境目らしい光景です。
駐輪場の外れは東北本線になります。写真6は、市境が東北本線にぶつかったところ(写真2の③地点)に設置されている標識です。左側は蕨警察署の管轄、右側は川口警察署の管轄となっています。写真1を参照すると、まさにこの場所に用水路があったことがわかります。用水路は塚越用水と称するようです。
写真7は、東北本線を跨ぐ陸橋から撮影しました。川口市と蕨市にまたがる陸橋なので川口蕨陸橋と称します。わかりやすい名称です。画面中央の歩いている人付近が市境になります。警察署管轄境界が取付けられているのはこの人の少し手前です。都内だと路面に境界標があるものですが、ここには見当たりませんでした。
写真8は写真2の④地点です。川口蕨陸橋から撮影しました。斜めに走っている道が市境です。つまり、左手前が川口市、右奥が蕨市になります。ところが、左手前に見える駐輪場の案内板を見ると蕨市の管轄でした。土地は川口市、施設は蕨市ということになります。境目らしい光景です。
写真9は、川口蕨陸橋の下にある駐輪場(写真2の⑤地点)です。駐輪場案内板の下の方には蕨市と書かれています。写真8と同様、川口市内にある蕨市の施設ということのようです。
写真10は写真2の⑤地点で、写真9のすぐ近くです。この道路が蕨市と川口市の市境です。たぶんこの道路の中央が市境なのでしょう。やはり道路に境界標はありませんでした。
3.まとめ
蕨市と川口市の境目は用水路でした。現在は道路や駐輪場になっています。両市の境界標が接して火花を散らしている…というようなことはありません。
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。
以上
さかいめ さかιゝ さかτゝの
さかτっ さかてつでした…