ディーゼル動車はディーゼル機関を動力源として走ります。もちろん排気ガスが出ますが、当時は床下排気という例も珍しくありませんでした。夏、窓を開けた時には下から排気ガスが車内に入って来て煙たかったことでしょう。それに対して、このキハ500はきちんとした屋根上排気でした。排気管が通る部位は窓の間隔が広くなっています。
車内を見ると、右側に排気管が1本立上がっているのがわかります。キハ500は新製当初、定格出力143.5PSという少し小形のディーゼル機関を搭載していました。
キハ500(18m車)登場の2年後にはキハ800(20m車)が登場します。キハ800は、国鉄で開発されてまもない横形ディーゼル機関(定格出力180PS)を搭載しました。キハ500が18m車だったのは、当時入手できた横形ディーゼル機関の定格出力が143.5PSだったから…というのがその理由だろうと思います。
さて、それではキハ800の排気管はどうなっているかというと、写真5のように2本ありました。キハ500よりも機関出力が大きいからということなのでしょう。
ところが、のちにキハ500はキハ800と同じディーゼル機関に換装します。しかし、排気管は増設されていません。機関換装後のキハ500は排気ガスの出が悪かったのではなかろうか…などと思ってしまいますが、もうこの世から消滅してしまったので確認することもできません。
以上
ちかてつの
さかてつでした…