1.はじめに
池袋駅の出口でいちばん大きな番号が付されているのは44番出口です。しかし、この44番出口は陸の孤島になっており、実質的に利用できません。どういうことでしょうか。
2.なかなかたどり着けない44番出口
写真1と写真2は、池袋駅の東側にある44番出口の状態です。ご覧の通り、周囲を道路に囲まれています。横断歩道もありません。歩行者が道路交通法を守って地上から44番出口にたどり着くことはできないのです。
写真3は、43番出口に通じる通路です。丸ノ内線の中央通路東改札(いちばん東側にある改札口)を出てから南東に向かうとこの通路に出ます。写真3の場所で左に曲がって階段を上がれば43番出口から地上に出ます。しかし、44番と記された案内表示はありません。
丸ノ内線の同じ改札口を出てから北東に向かっても44番出口に通じる地下通路は見つかりません。通路を進むと34番出口(写真4)に出ます。向こうの方で44番出口が「ここまでおいで~」と嘲笑っているかのようです。
実は、44番出口に到達するためには、いったんISP(池袋ショッピングパーク)に入る必要があるのです。写真5はISPのメトロ口で、丸ノ内線中央通路東改札の中から撮影したものです。
地上に出るためには、いったん店内に入って階段あるいはエスカレータを下り、再び上がらなければならない…というところがややこしくておもしろいですね。
写真6は、ISP店内からガラス扉を開けて階段室に出たところです。ガラス1枚で別世界になっています。舞台裏から見ているような、あるいは異次元から見ているような、何とも言えない不思議な雰囲気です。
写真6を撮影した場所で体の向きを変えると、写真7のような状態です。階段を降りると地下駐車場、そして左側の「←避難口」と記された階段を上がると…44番出口です。
写真8は階段から見た44番出口です。外には池袋駅東口の風景が広がっていますが、実は異次元にある同じ風景なのではなかろうか…などと、SF的なことを妄想してしまいました。
地上に出て振り返ると…あの44番出口が目の前にあります(写真9)。たどり着きたくてもたどり着けなかったあの44番出口です。何とも感動的です。私以外だれも通る人がいないのが不思議な感じです。
写真10は、44番出口の前で南側を見たところです。写真1の風景の中に私がいるわけです。柵の外は道路だけです。街は目の前にありますが、そこへは行けません。
写真11は、44番出口の前で北側を見たところです。今度は写真2の風景の中に私がいるわけですね。やはりこちらも外へは出られません。目の前はタクシープールです。(プールと言ってもタクシーが泳いでいるわけではありません。留まっているだけです。)
3.謎解き
実は、この44番出口がこうなった経緯に関して詳しい調査報告があります。こちらをご覧ください。たいへん勉強になります。
池袋駅「幻の44番出口」の謎を追え! | Rail to Utopia
4.まとめ
池袋駅の44番出口は「陸の孤島」です。しかし、初めからこうだったわけではありません。44番出口の近くにはバス乗り場があり、出口として機能していました。しかし、バス乗り場の位置が変わって緑地帯になり、さらにその後タクシープールになったため、44番出口は「陸の孤島」になってしまったのです。
以上
ちかてつの
さかてつでした…