1.はじめに
池袋駅には出口がたくさんあります。その数約50か所。出るところを間違えるととんでもないことになるので、出口には番号が振られています。
これだけ数が多いと、出口にもいろいろ「個性」が出てきます。今回は「存在感の薄い」出口のお話です。
2.存在感の薄い12番出口
東京メトロ池袋駅のプラットホームには案内図が数多く設置されています。多くの場合、駅構内図と駅周辺案内図が上下2段になっており、下記のような手順で目的の出口への経路を知るようになっています。
駅構内図で目的の出口方面の通路を確認
↓
その通路の先にある地上出口の位置を確認
基本的にはどの出口も同じです…が、
10番出口は10~12番出口への通路を通って10番出口へ、
11番出口は同じ通路を通って11番出口へ、
12番出口も同じ通路を通って12番出口…が無い!
そうなのです。駅構内図で12番出口方面に向かう通路を見つけても、その先(地上)の状況を示す駅周辺案内図には12番出口が無いのです。
どういうことかと思い、池袋駅およびその周辺にある案内図を次々に確認していきました。なんと…12番出口だけに関しては、記されている地図と記されていない地図が混在しています。
3.現地の状況
そもそも12番出口は存在しているのでしょうか? わくわくしながら現地に向かいました。その前に、まずお隣の11番出口です。
写真1は11番出口の地上、写真2は11番出口の地下です。地下は、東武ホープセンターという地下街のセンターゾーンとノースゾーンを分ける通路につながっています。11番出口に関しては、ごくありふれた状態です。
さて、いよいよ次は12番出口です。「12番出口は半透明で、この世に出現したり消滅したりを繰り返しているのだろうか…」などとSF的な想像をしながら11番出口の近くを探すと、全く何の苦労もなく12番出口が見つかりました(写真3の⑫)。ごくありふれた出口です。拍子抜けしました。
写真4は12番出口の地上ですが、こうして見ると11番出口にそっくりです。数字が⑪か⑫かという以外、ほとんど見分けがつきません。
写真5は12番出口から地下に下りたところです。地下に下りたとたんに通路がふさがれているのではなかろうかと思いましたが、そのようなことはありません。ガラスの扉があり、中には東武ホープセンターノースゾーンのほけんの窓口が見えます。
「このガラス扉、実は固定されていて開かないのではなかろうか」としつこく疑いながら、扉を引いてみたら何事もなく開きました。入ってもよいのだろうか…と躊躇しながらも東武ホープセンター内に入って振り返った状態が写真6です。
4.謎解き
さて、12番出口は存在しており、普通に通行できることもわかりました。そうすると「存在が薄い」理由が気になりますが、その謎は写真7で解けます。
もうちょっとわかりやすくするため、11番出口と12番出口の差異をまとめてみます。
●11番出口
(1)東武ホープセンターの「通路」につながる
(2)東武ホープセンター店舗内を「通過せずに」駅まで行ける
⇒東武ホープセンター営業時間外でも「駅」まで行ける
●12番出口
(1)東武ホープセンターの「店内」と「駐車場」につながる
(2)東武ホープセンター店舗内を「通過しないと」駅まで行けない
⇒東武ホープセンター営業時間外は「駐車場」にしか行けない
ちなみに東武ホープセンターの営業時間は10:00~21:00です。朝の通勤時間帯、12番出口は、駅の出口として機能しません。そのため、写真7のごとく地下駐車場への専用階段扱いとしているわけです。存在感が薄くなっている理由はここにありました。
5.まとめ
池袋駅に12番出口は存在します。しかし、時間帯によっては駅に行けないため、「存在感が薄く」なっています。12番出口が記されていない案内板も数多く存在します。
以上
ちかてつの
さかてつでした…