濠の中を走る有楽町線

毎度の話ではありますが、桜田門駅から有楽町駅までの区間に関しても、地図によって有楽町線経路の記載は少しずつ異なっています。


1.文献確認

参考資料1に示した建設史を参照すると、有楽町線の経路(濠の中)ははっきりします。

建設史P.432先の平面図及び縦断面図によると、桜田門駅を出発した有楽町線A線の電車は半径510m右曲線で東に向きを変え終わると同時に、法務省の前で凱旋濠に入ります。そのまままっすぐ祝田橋の中央付近を横切って日比谷濠の中を進み、皇居外苑の石垣の下を通ってから再び日比谷濠に入り、帝国劇場の前で陸地の下にもぐり込みます。

建設史P.665図140日比谷濠工区平面図を参照すると、上記の様子がさらによくわかります。なお桜田門駅から有楽町駅までは単線シールドトンネルが2本並んでおり、A線とB線は最大20m程度離れています。


2.現地の状況

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写真1 桜田門交差点

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写真2 凱旋濠

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写真3 凱旋濠

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写真4 祝田橋越しに見る日比谷濠

写真1および写真2は、同一地点(凱旋濠のほとり)で180度向きを変えて撮影したものです。桜田門交差点(写真1参照)から凱旋濠(写真2参照)に向かって有楽町線はまっすぐ走っています。写真2に見える橋は祝田橋です。

祝田橋の上からは凱旋濠(写真3参照)と日比谷濠(写真4参照)が見えます。私が立っている足元を有楽町線が走っています。

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写真5 日比谷濠と石垣

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写真6 帝国劇場と第一生命

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写真7 日比谷濠と石垣

日比谷濠の北側には皇居外苑の石垣があります(写真5参照)。A線は200m程度、B線は100m程度、皇居外苑の敷地内を走っています。さらに進むと陸地に入り、帝国劇場と第一生命の間(写真6参照)を走っていきます。

写真6を撮影した場所で振り返って見たのが写真7ですが、地下鉄が走っているようには思えない風景です。


参考資料
 1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)