噴水の下を走る有楽町線

市販の地図、ネットの地図を見てもなかなかわかりませんが、国会前庭洋式庭園に入った有楽町線は噴水の下を走っています。飯田橋駅-市ヶ谷駅間で外濠の下を走っていましたが、有楽町線はこの先徐々に「水の下」が増えてきます。


1.文献確認

建設史P.432先の平面図及び縦断面図によると、国会前庭洋式庭園に半径408m右曲線で入ってきた有楽町線首都高速3号線と交差するあたりから半径510m左曲線になり、そのまま桜田門駅に入り込んでいます。桜田門駅までは単線シールドトンネルが2本並行しています。

建設史P.658図133永田町二工区平面図およびそれに関する記述によると、国会前庭北地区の噴水の下を通り、首都高速3号線トンネルの坑口下を通過しています。


2.現地の状況

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写真1 憲政記念館前交差点

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写真2 国会前庭洋式庭園

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写真3 噴水

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写真4 噴水

憲政記念館前交差点(写真1参照)には、横断歩道を挟むようにNo.117換気口とNo.118換気口があります。有楽町線A線は奥から手前に向かって半径408mで曲がりながら走っています。そのまま国会前庭洋式庭園(写真2参照)に入り、噴水(写真3参照)に至ります。このあたりから今度は半径510mで左に曲がり始めます。噴水の奥に見えるのは、桜田門の前にある警視庁です。

写真4は写真3の反対側から見た噴水で、有楽町線A線は奥から手前に向かって走っています。このあたりはすでに半径510m左曲線になっています。写真左奥に見えるのは時計塔で、立法・行政・司法の三権分立を象徴した3つの面で構成されています。

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写真5 首都高速3号線

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写真6 国会前交差点

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写真7 国会前交差点

噴水のある広場を通り抜けた有楽町線は半径510m左曲線で曲がりながら、首都高速3号線のトンネル坑口付近(写真5参照)でこれと交差して国会前交差点(写真6および7参照)に至ります。写真6においては奥から手前に向かって、写真7においては手前から奥に向かって、有楽町線A線は走っています。

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写真8 封印された換気口

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写真9 桜田門駅1番出口

桜田濠脇にある換気口を見ると、封印(写真8参照)されていました。そういう場所なんですね…。換気口の先には桜田門駅1番出口(写真9参照)があります。


参考資料
 1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)