今回はトムリンソン式の密着連結器です。
日本国内で広く使われている回り子式の密着連結器は突起部で位置決めを行ない、内部の回り子でロックします。これに対して、トムリンソン式は中央付近に見える突起部がフックになっていてかみ合います。四隅に見える小さな突起・穴は位置決め用です。
フック同士が引っ張り状態で外れないようにフック部の形状が定められているようですが、そのことは連結器同士が伸張状態で列車が停止した場合に開放が困難になる可能性が高いということではなかろうか…と思ったりします。回り子式とトムリンソン式、どちらの方が使い勝手がよいのか知りたいところです。
参考のため、使用している車両の例を示します。東京メトロ銀座線・丸ノ内線などで使われていますが、回り子式が広く使われているのと対照的に少数派です。
東京高速鉄道は現在の東京メトロ銀座線新橋-渋谷間、帝都高速度交通営団は現在の東京メトロで、301は丸ノ内線を走っていた車両です。いったん採用されるとその路線においてはなかなか他の連結器に置き換えられることはないようで、最新の2000系(写真5参照)もトムリンソン式です。
そのほか、いくつかの鉄道でも使われています。写真6は京福電気鉄道北野線(通称嵐電)の例です。
●回り子式(柴田式)密着連結器:主として日本国鉄(→JR)・公民鉄用
●回り子式密着連結器:新幹線用