大手町ビルヂング

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写真1 2015年当時

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写真2 現在(改修工事中)

再開発で次々に建物が新しくなっている大手町地区ですが、大手町ビルヂングだけは最近まで昔のままの姿で残っていました(写真1参照)。

先日、大手町プレイス(逓信総合博物館などがあったところを再開発)のサンクンガーデンから地上に出たら、新しい建物が目に入りました(写真2参照)。「大手町ビルヂング、建て替えたのか?」と思いましたが、何となく見覚えのある輪郭です。よく見たら建て替えではなく改修でした。そういえば少し前から工事していました。外壁によってずいぶん印象が変わるものです。

調べてみたら、大手町ビルヂングは1958年竣工。現在実施中の改修工事は2021年3月に完成予定で、屋上には庭園ができるそうです。「更地にして新築」という事例が多い中で、この建物に関しては「改修により永く使おう」という結論に至ったわけで、これはこれでよいことだと思います。建物が消えてしまうと、それにまつわる思い出まで消えてしまうような気がするからです。

大手町ビルヂングで思い出すのは、地下鉄乗換え通路としての姿です。昔、半蔵門線がまだ開通していなかった頃、大手町駅丸ノ内線と千代田線を乗換える場合は、いったん改札口を出てから大手町ビルヂングの地階を延々と歩く必要がありました。その時いつも目に入ったのが「大手町ビルヂング」という名称板で、「ビルディング」ではなく「ビルヂング」というところが印象的でした。

その後、半蔵門線が開通して改札内通路ができ、大手町ビルヂングを経由しなくても乗換えできるようになりました。それと共に大手町ビルヂングの地階を通ることはほとんどなくなりましたが、改修工事完成後は、遠回りしてでも大手町ビルヂングを通りたくなるような雰囲気になるのかもしれません。