外濠の水の下は…有楽町線

市販の地図、ネット地図、いずれを見ても飯田橋駅から市ヶ谷駅まで有楽町線は外濠の中を走っています。今まで「地図は必ずしも正しいとは限りません」という記事を書いてきましたが、今回は逆で「有楽町線は地図通り外濠の中(水の下)を走っています」。


1.文献確認

有楽町線が外濠の中を走っている状況は、建設史P.432先の平面図及び縦断面図に掲載されています。検車線と自動洗浄機がある旨も記載されています。しかしいちばんわかりやすいのは、参考資料2のP.029に掲載されている写真です。この写真は市ヶ谷駅から飯田橋駅方面を撮影したもので、有楽町線が外濠を斜めに突っ切っている様子がよくわかります。P.018にも外濠の水をせき止めて掘削している写真が掲載されています。

そのほか、参考資料3(https://metroarchive.jp)で写真を探すといろいろ出てきます。「有楽町線」「市ヶ谷」などをキーワードに検索してみてください。

(なお、書籍に関して無断転載できませんし、HPへ指定外の方法でリンク設定はできません。この点ご理解お願いいたします。)


2.現地の状況

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写真1 外濠(新見附橋)

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写真2 換気口

外濠は水が見えるだけで、その下を有楽町線が走っているという証拠物件はなかなか見当たりません。それでも、新見附橋で換気口を見つけました。写真1の赤↓印が換気口ですが、わかりにくいので拡大写真(写真2参照)も掲載します。これらの写真において、有楽町線A線は、右奥から左手前に向かって走っています。


参考資料
 1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)
 2.Office Ti+「東京メトロをゆく」イカロス出版(2010年)
 3.メトロアーカイブアルバムHP