有楽町線は氷川台駅を過ぎるとすぐに石神井川と交差しますが、この先は練馬区と板橋区の区境まで民有地の下を走っています。建設史P.512にはこのあたりの経緯が記されており、「道路と地下鉄を同時に建設する予定だったが、近隣住民からクルマの排気ガス・騒音などを理由に『地下鉄建設賛成、道路建設は反対』ということになった」とのことです。
建設史1のP.432先記載平面図及び縦断面図、参考資料2のP.164~165地質状況図に記載がありますが、この区間はほぼ一直線です。また現在は道路建設予定地、つまり有楽町線真上の民有地がかなり更地になっています。これらの理由により有楽町線がどこを走っているかということに関しては容易にわかるようになってきているので、ここでは以前2012年に歩いた時との比較を主として説明いたします。
写真1とほぼ同じアングルで撮影しましたが、7年前とほとんど変わっていません。もちろん、道路が拡幅されると大幅に雰囲気が変わることでしょう。
石神井川の護岸には有楽町線のトンネルがあることを示す標識があります。ちなみに氷川台駅から小竹向原駅までは直径10mのシールドトンネルです。
拡大するとこのような感じです。
何の変哲もない住宅街の道路ですが、真下を有楽町線が走っています。
写真4から7年経過した現在の状況です。まだそんなに大きく変化していません。
写真4の場所から100mほど離れたところには、なかなか味わいのあるアパートが建っていました。
多少アングルが異なりますが、写真6と同一地点です。アパートは消滅しています。緑色のフェンスが道路建設予定地を示しています。また、この道路建設予定地の真下を有楽町線が右手前から左奥に向かって走っています。
ここは道路建設予定地ですが2012年当時はそのような雰囲気はありませんでした。
7年経過して、道路建設予定地は緑色のフェンスで囲まれました。奥に見える青い屋根の建物もそのうち消滅すると思われます。足元を有楽町線が走っているという雰囲気は7年前も今もありませんが、道路ができるとそのような不自然さは無くなることでしょう。
このあたりは7年間で大きく変わりました。2012年の写真を見ても対応関係がわかりません。この階段は民家の入口だったはずですが、道路工事進展とともに消滅する運命にあります。
緑のフェンスが広がり、道路建設予定地には仮設歩道ができました。有楽町線の真上を歩けるようになったわけです。
道路の建設はじわりじわりと進んでいます。それと共に、この区間に関して地下鉄が走っている位置の特定という愉しみは無くなりました。趣味人のわがままですが…。
参考資料
1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)
2.東京地下鉄編「東京メトロ建設と開業の歴史」実業之日本社(2014年)