地名が消えて駅名や施設名にそれが残っている…という典型です。
写真は丸ノ内線の中野富士見町駅ですが、ここは中野区の端っこです。写真左に見える神田川を富士見橋で渡ると杉並区です。
もともと「富士見」という地名でしたが下記のように段階的に消滅しました。昔、富士見町だったところはそのほとんどが「弥生町五丁目」となっています。中野富士見町駅は1961年2月8日開業ですから、富士見町が消えつつある途中だったわけですね。
1932年(昭和7年)10月1日:「富士見町」となる
1960年(昭和35年)3月1日:一部が「栄通三丁目」となる
1967年(昭和42年)6月1日:消滅
ところで弥生という地名は、このあたりに弥生時代の遺跡があるからだそうです。
参考資料
1.「なかのの地名とその伝承」中野区教育委員会(昭和56年)
2.「東京地下鉄道 荻窪線建設史」帝都高速度交通営団(昭和42年)