千代田線は不忍通りを南下し、池之端一丁目交差点を通って湯島駅に至ります。
経路に関しては、建設史P.436先の平面図・縦断面図およびP.128先の写真「不忍池付近の開削工事」で確認できます。忍岡小入口交差点付近を半径800mの右曲線で曲がると同時に上下2階建て構造から左右並列構造になり、直線経路で徐々に不忍通りを外れて不忍池をかすめます。その先、池之端一丁目交差点の北を半径800m右曲線で通過して、昌平橋通りの下にもぐりこみます。
市販の地図、ネットの地図では、不忍池西交差点の北でぐいっと左に曲がるように(大きなS字曲線で)描かれていますが、正しくありません。
なお建設史P.39およびP.430には、不忍池の地下に留置線を設けるため三線になっている旨記述されています。建設史P.436先の平面図・縦断面図をよく見ると確かに三線になっていますし「留置線」という文字も見えます。さらにP.828図1には湯島駅側線配線略図として三線区間が記されています。
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以下、A線(綾瀬→代々木上原)方向に話を進めます。
不忍通りから弁天堂へ向かう北側の道への入口から数10m南下したところです。左の茂みの中に換気口があり、電車の音が聞こえてきます。ここを最後に、不忍通りから換気口はなくなります。(池之端一丁目交差点以南は昌平橋通りに再び換気口が現れます。)
50mほど歩くと交番があります。どうやら千代田線の真上に建っているようです。
驚きました。不忍池周辺を歩いたことは今まで何回もあり、今さら発見できるものなどないと思っていましたが、こんなに大きな構造物があったとは…。今まで見えていませんでした。
写真を撮っていると、地下から電車の走行音が響いてきました。
写真5のベンチに座っていると、足元からごとんごとんという振動が伝わってきます。千代田線の真上ということがよくわかります。不忍通りから弁天堂へ向かう南側の道の方をよく見ると(写真6)、大きな豆腐のような構造物が見えます。
休憩所(写真5)のベンチから見えた二つ目の換気塔です。過去に撮影した写真を見直しましたが、このようなものは写っていませんでした。無意識のうちに視野から排除していたのでしょう。
これも休憩所(写真5)のベンチから見えましたが、今まで全然気づいていませんでした。
ここから上野公園の敷地を外れ、千代田線は不忍通りと交差して昌平橋通りの下に入り込みます。
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ところで1967年9月19日には、工事中のトンネル内に不忍池の水が流れ込んで干上がってしまうという大事故が発生したそうです。