千代田線はどこを走っているか(その5) 道灌山下交差点付近

道灌山下交差点は、西日暮里駅方面からの道灌山通り不忍通りにT字状にぶつかるところですが、地下鉄はこの真下を直角には曲がれません。千代田線建設史記載の表現を借りると「道灌山カーブ」でこれらの道路を滑らかに結んでいます。

毎度のことですが、市販の地図、ネットの地図などを参照すると、この区間の表現が結構異なっています。いったいどのように走っているのか、建設史P.436先の平面図・縦断面図で確認してみました。

西日暮里駅を過ぎると半径300m左曲線で民有地の下を走り、不忍通りの下にもぐりこみます。不忍通りに入る直前には換気塔がある旨記載されています。不忍通りに入ると郵便局の前を半径200m右曲線で走り、千駄木駅に至ります。前後の区間と同様、「上段:A線 下段:B線」の2階建てトンネルを開削工法で建設しています。

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現地へ行ってみました。

 

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写真1 荒川区台東区の区境(千代田線の真上)

千代田線は奥から手前に向かって走っています。ここは区境で、奥が荒川区、手前が台東区です。このあたりから千代田線は民有地の下に入り込みます。

 

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写真2 高層住宅どうしの谷間

道路は道灌山通りです。千代田線は写真左から高層住宅どうしの谷間(写真奥の方)へ左曲線で向かいます。右に写っている高層住宅の壁が階段状になっているのがわかります。基礎が千代田線トンネルと干渉しないようにしたものと思われます。

 

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写真3 階段状の高層住宅

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写真4 高層住宅どうしの谷間(写真3と同一地点より撮影)

写真2と同一の場所を反対側から見たところです。千代田線は私の真下を右奥から左手前に曲がりながら走っています。

 

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写真5 台東区と文京区の区境(千代田線の真上)

写真3,4のすぐ近くで、左手前が台東区、建物があるところは文京区です。手前から奥に向かって千代田線が走っています。このあたりは台東区が細長くなっており、千代田線は荒川区から台東区に入って100m程度走ると、ここから文京区に飛び込んでしまいます。

 

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写真6 換気塔への通路入口

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写真7 ビルの谷間の換気塔

ぐるりと回って「このあたり」と思われる場所へ行くと、メトロ管理地(写真6)がありました。フェンスで囲まれた通路、その延長線上にある路上のメトロ境界標…怪しげな雰囲気です。ちょっと離れて奥を見ると…ビルの谷間に換気塔(写真7:赤い矢印の先)がありました。感動的な光景です。

 

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写真8 不忍通り

換気塔の延長線上は不忍通りです。千代田線は奥から手前に向かって走っています。

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写真7の換気塔は、Yahoo!地図などの航空写真で確認することができます。もちろん「換気塔がある」ということを知っていれば、の話ですが。

参考資料
 1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)