千代田線はどこを走っているか(その3) 明治神宮前駅-代々木公園駅

千代田線の明治神宮前駅代々木公園駅の間には代々木公園があります。今回は「この中を千代田線はどのように走っているか」というお話です。

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代々木公園には門がいくつかあります。渋谷駅方面からNHKホールの脇を通って歩道橋を渡ると、そこは渋谷門です。

 

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写真1 渋谷門

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写真2 千代田線換気口(渋谷門バラの園)

渋谷門を入ったところは「バラの園」です。その中を見ると換気口(写真2)があります。時々ごーっという音が聞こえてくるので、千代田線がこの真下を走っていることがよくわかります。

 

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写真3 千代田線換気口(桜の園)

バラの園から西の方へ行くと「桜の園」になりますが、そこにも換気口があります。写真3の奥にバラの園のアーチが見えます。奥から手前に向かってA線(綾瀬→代々木上原)の電車が走っています。

 

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写真4 千代田線換気口(花の小径案内板)

桜の園は南門の近くまで広がっていますが、南門の脇に「花の小径」(桜の園の中の散策道)案内板が設置されています。よく見ると案内板の奥(写真4右上)に換気口があります。ここも千代田線の真上です。

 

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写真5 千代田線換気口(日本航空發始之地)

南門の西には「日本航空發始之地」(日本初飛行の地)記念碑があります。1910年(明治43年)、代々木練兵場であったこの地で徳川陸軍大尉操縦の複葉機が高度70mで4分間3000m飛行したと記されています。この記念碑脇の近くに、写真5のような換気口があります。写真左から右がA線の方向です。

 

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写真6 千代田線換気口(「住居」脇)

代々木公園の南西側(代々木上原駅代々木八幡駅の近く)には「住居」が数多くあり、その脇にも千代田線換気口(写真6)があります。電車が通るたびに空気が出入りしますが、その空気は外気よりも冬は暖かく夏は冷たいので、居住環境としてよいのだろうと思います。この写真のすぐ奥(林の向う側)は代々木公園駅4番出入口になります。

上記の通り、代々木公園内には千代田線の換気口が数多くあり、走っている場所の特定は想像以上に簡単でした。

 

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写真7 オリンピック記念宿舎

代々木公園内にはいろいろな建物があります。渋谷門(写真1)から東の方(原宿駅明治神宮前駅方面)へ歩いていくと、写真7のような素敵な建物があります。これは1964年オリンピックの際の選手宿舎のひとつですが、この写真を撮影した私の真下を千代田線が左右方向に走っています。

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以上の内容は、千代田線建設史P.488とP.607、メトロアーカイブアルバム写真「代々木公園留置線工事」で確認できます。10両編成×8本を収容できる地下留置線が代々木公園内にどのように建設されているかよくわかります。

 

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写真8 千代田線換気口

代々木公園と明治神宮の境目には柵があります。その柵の脇には写真8のような換気口があります。写真2~6の換気口と異なるのは、長手方向が千代田線進行方向と直交していることです。建設史P.607図123と現地状況を照らし合わせると、留置線終端部(明治神宮との境目付近)の換気口だろうと思われます。

 

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写真9 千代田線機器搬入口?(写真8と同一地点より撮影)

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写真10 千代田線機器搬入口?(原宿駅側より撮影)

写真8の場所で体を45度ほど右にひねって撮影したのが写真9です。また、同じものを原宿駅側から撮影したのが写真10です。駅の出入口とも似ていますが、シャッターが設けられているところから非常口というわけではなさそうです。詳細は不明ですが、機器搬入口ではないかと私は推定しています。

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休日はお祭り騒ぎのような原宿駅前。そのすぐ脇には千代田線の施設(写真10)があるのですが、ほとんどの人は気づいていないようです。

参考資料
 1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)
 2.メトロアーカイブアルバム